【町田市の税理士が解説】法人事業税の外形標準課税とは?④付加価値割の報酬給与額:前編

ミミレイドン

ボス、おはようございます!
今朝のテーマは何でしょうか?

新屋賢人

昨日は付加価値割の概要について整理しましたので、今朝は付加価値割の報酬給与額について整理して行きたいと思います。

ミミレイドン

報酬給与額に含まれるか否かの判定が一番難しいかもしれませんよね。

新屋賢人

外形標準課税の「付加価値割」は、赤字でも課税されることがあるため、対象法人にとっては見落としが致命傷になり得る税目です。
なかでも実務で一番つまずきやすいのが、付加価値額を構成する「報酬給与額」。給与・賞与はもちろん、出向負担金や派遣料、社宅、企業年金掛金など、“給与っぽいのに入らない/入る”が混在します。
今朝は、「報酬給与額の定義と範囲」を整理し、誤りやすいポイント(出向・派遣・社宅・国外勤務など)を具体例で解説します。申告前のチェックリストとしてもご活用ください。

付加価値割の報酬給与額:前編

目次

1.付加価値割とは?(昨日のおさらい)

法人事業税の付加価値割(ふかかちわり)は、資本金1億円超の法人などを対象とした「外形標準課税」の一部で、法人が事業活動によって生み出した「付加価値の大きさ」に対して課される税金です。

企業の利益(所得)ではなく、給与の支払いや賃借料の支払いといった事業規模(活動量)を基準にするため、赤字であっても納税義務が生じるのが最大の特徴です。

1. 課税の仕組みと計算方法

付加価値割の課税標準(税額計算の基礎となる金額)は、「付加価値額」と呼ばれます。これは、以下の2つの要素の合計額です。

付加価値額=収益配分額+単年度損益

① 収益配分額

事業活動から生じた利益を、労働や資本の提供者にどう分配したかを示す指標で、以下の3つの合計です。

  • 報酬給与額: 役員や従業員への給与、賞与、退職金などの総額。
  • 純支払利子: 支払利子から受取利子を差し引いた金額(マイナスの場合は0)。
  • 純支払賃借料: 土地・家屋の支払賃借料から受取賃借料を差し引いた金額(マイナスの場合は0)。
新屋賢人

今朝はこの報酬給与額について、次章以降で詳しく整理していく予定です。

② 単年度損益

その事業年度の所得(税務上の利益)です。ただし、繰越欠損金を控除する前の金額を使います
もし赤字(欠損)の場合は、収益配分額からその赤字分を差し引いて付加価値額を計算します(全体がマイナスになれば課税標準は0円)。

2. 税率

  • 標準税率:1.2%
  • ただし、各都道府県の条例により、これより高い税率(超過税率)が適用される場合があります(例:東京都などでは1.26%など)。

3. 対象となる法人

原則として、資本金の額(または出資金の額)が1億円を超える普通法人が対象です。
※2025年度以降の税制改正により、過去に外形標準課税の対象だった法人が減資して資本金1億円以下になっても、「資本金+資本剰余金」が10億円を超える場合などは対象として残る仕組みが導入されています。

ミミレイドン

令和6年度税制改正による外形標準課税の対象法人の変更については、こちらの記事で解説しておりますので、宜しければご覧ください。
【町田市の税理士が解説】2024年度(令和6年度)税制改正でどう変わった?外形標準課税の対象法人について

4. 重要な特徴と特例

  • 赤字でも課税される
    給与や家賃を支払っている限り「収益配分額」が発生するため、たとえ会社の利益が赤字であっても、付加価値割の納税が必要になるケースが一般的です。
  • 雇用安定控除(負担軽減措置)
    多くの雇用を維持している企業に配慮し、「報酬給与額」が「収益配分額」の70%を超える場合は、その超える部分を課税標準から控除できる特例があります。
  • 会計上の扱い(損金算入)
    法人事業税の「所得割」は「法人税、住民税及び事業税」として処理されますが、この「付加価値割」(および資本割)は、事業を行うためのコストとみなされ、「販売費及び一般管理費(租税公課)」として計上されます(損金算入可能です)。
新屋賢人

雇用安定控除額=報酬給与額−収益配分額×70%(マイナスは0)として算定し、付加価値額の算定上控除します。

ミミレイドン

付加価値割の概要については昨日のブログ記事で解説しておりますので宜しければご覧ください。
【町田市の税理士が解説】法人事業税の外形標準課税とは?③付加価値割の概要編

2.付加価値割の報酬給与額とは?[定義]

外形標準課税(付加価値割)の課税標準となる「報酬給与額」の定義と範囲について解説します。

1. 報酬給与額の基本的な定義

報酬給与額とは、雇用関係またはこれに準ずる関係に基づいて提供される労務の対価として支払われるものをいいます。 原則として、所得税法において「給与所得」または「退職所得」とされるものが該当します。

  • 対象者
    役員(非常勤を含む)、正規従業員だけでなく、契約社員、パートタイマー、アルバイト、臨時雇いなど、名称を問わず雇用関係にあるすべての者が対象です。
  • 支払形態
    定期・定額(月給など)であるか、不定期・業績比例(賞与、歩合給など)であるかを問いません。

2. 報酬給与額に含まれるもの

具体的には、以下の項目が報酬給与額に含まれます。

  • 給与・賞与・退職金
    報酬、給料、賃金、賞与、退職手当など。
  • 現物給与(経済的利益)
    金銭以外の物や権利で支給されるもので、所得税で給与所得・退職所得として課税され、かつ法人税で損金算入されるもの(例:食事の提供、自社製品の支給など)。
  • 年金掛金等
    確定給付企業年金、企業型確定拠出年金、中小企業退職金共済などの掛金で、法人が拠出するもの。
    ※ただし、制度移行に伴う移管金や事務費掛金は除かれます。

3. 報酬給与額に含まれないもの(除外項目)

以下の項目は、報酬給与額には含まれません。

  • 法定福利費事業主負担分
    健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などの会社負担分は、強制的な公的負担であるため含まれません。
  • 通勤手当・在勤手当非課税分
    所得税法上で非課税とされる金額(実費弁償的な部分)は除かれます。
  • 請負代金
    労務の対価ではなく「仕事の完成」に対する対価であるため、原則として含まれません(ただし、実態が雇用関係と同じである「名目上の請負」は給与とみなされます)。
  • 社宅の賃借料
    法人が借り上げて従業員に貸している社宅の家賃は、「支払賃借料」として扱われるため、給与課税される経済的利益があっても報酬給与額には含めません。
  • 福利厚生費
    慶弔費やレクリエーション費用などで、給与所得とされないものは含まれません。
新屋賢人

一方で、以下のような場合には、通勤手当(またはその相当額)が報酬給与額に含まれる、あるいは結果的に含まれて計算されることがあります。
①所得税法で定められた非課税限度額(たとえば公共交通機関の利用者で月額15万円など)を超えて支給された通勤手当は、その超過部分が「給与」として課税対象になります。したがって、この超過部分については「報酬給与額」に含まれます。
②出向元からの請求額(給与負担金)において、『給与本体』と『通勤手当(非課税分)』が明確に区分されていない場合は、出向先において全額が報酬給与額となります。 (ただし、契約や請求書等で非課税とされる通勤手当相当額が明確に区分されている場合には、その金額を報酬給与額から除外することができます。)
③派遣労働者を受け入れている法人は「派遣会社に支払う金額(派遣料)に75%を乗じた金額」を報酬給与額として計算します。この派遣料の中に、派遣労働者の通勤交通費相当額が上乗せされていたとしても、その交通費部分だけを抜き出して除外することはできず、一律で「総額の75%」として計算されます。そのため、結果的に通勤費相当額の一部が報酬給与額に算入されることになります。

4. 特殊な取扱い

① 労働者派遣(人材派遣)

労働者派遣法等に基づく派遣契約の場合、特例計算が行われます。

  • 派遣受入法人(派遣先)
    「派遣契約料 × 75%」を報酬給与額に加算します。
  • 派遣元法人
    「派遣契約料 × 75%」を報酬給与額から控除します。

② 出向

出向者に対する給与は、形式的な支払者にかかわらず、実質的な負担者の報酬給与額となります。

  • 出向元が給与を支払い、出向先が「給与負担金」を出向元に支払っている場合、その負担金部分は出向先の報酬給与額となり、出向元では控除します。

③ 計上時期(資産計上分)

原則として「法人税の損金に算入される事業年度」に計上しますが、棚卸資産、有価証券、固定資産、繰延資産(ソフトウェア開発費や建設仮勘定など)に含まれる労務費については、実際に支払った事業年度の報酬給与額として計上します(先取りして計算します)。

3.報酬給与額の対象となる役員または使用人の範囲

外形標準課税(付加価値割)の課税標準となる「報酬給与額」の対象となる役員または使用人の範囲について解説します。結論から申し上げますと、名称や雇用形態にかかわらず、雇用関係またはこれに準ずる関係に基づいて労務の提供を行う者のすべてが対象となります。

1. 対象となる役員・使用人の範囲(原則)

報酬給与額の対象となる者には、正規の従業員や常勤役員だけでなく、以下の者が広く含まれます。名称のいかんにかかわらず、実態として雇用関係等があるかが判断基準となります。

含まれる者の例

  • 非常勤役員(顧問、相談役などを含む)
  • 契約社員
  • パートタイマー
  • アルバイト
  • 臨時雇い(日雇い労働者など)
  • その他、名称を問わず雇用関係またはこれに準ずる関係に基づき労務を提供する者全て

2. 「雇用関係又はこれに準ずる関係」とは

  • 使用人(従業員)
    雇用契約に基づく「雇用関係」にある者が対象です。
  • 役員
    法人との関係は委任契約ですが、これは「雇用関係に準ずる関係」に該当するため、役員報酬も労務の対価として報酬給与額の対象になります。

3. 特殊なケースにおける範囲

(1) 海外勤務者(非居住者)

内国法人が外国で勤務する役員・使用人に対して支払う給与は、その者が所得税法上の「非居住者」であっても、法人の事業活動に対する労務の対価であるため、報酬給与額の対象となります

ただし、その勤務場所が外国の恒久的施設(支店や工場など)に該当する場合、その給与は「外国の事業に帰属する報酬給与額」として、最終的に課税標準(国内の付加価値額)の計算から控除されます。

(2) 出向者

出向者の給与については、「実質的に負担する法人」の役員・使用人として扱われます。

  • 給与(月給・賞与など)
    実質的な負担者(出向元か出向先か、あるいは分担しているか)の報酬給与額となります。
  • 退職給与
    形式的な支払者(直接退職金を支給した法人)の報酬給与額となります。

(3) 派遣労働者(労働者派遣法に基づく場合)

労働者派遣契約に基づき受け入れた派遣労働者については、派遣先法人が直接雇用しているわけではありませんが、特例により以下のように取り扱われます。

  • 派遣先法人(受入)
    派遣労働者を自社の使用人のようにみなして計算します(派遣契約料の75%を報酬給与額に加算)。
  • 派遣元法人
    派遣労働者等に支払う給与相当額(派遣契約料の75%)を報酬給与額から控除します。

(4) 請負契約(業務委託)

請負契約に基づく代金は「仕事の完成に対する対価」であり、労務の提供の対価ではないため、原則として対象外です。

新屋賢人

ただし、「名目上の請負契約」(形式は請負だが、実態は注文者の指揮命令下で労務を提供している場合など)と認められるときは、その支払額は給与とみなされ、注文者の報酬給与額の対象となります。

4.報酬給与額と所得税上の区分

外形標準課税における「報酬給与額」と「所得税上の区分」の関係について解説します。

原則として、報酬給与額は「所得税において給与所得または退職所得として課税されるもの」と一致しますが、事業税独自の考え方(労働の対価性)に基づき、いくつかの重要な例外があります。

1. 基本原則

報酬給与額は、所得税において「給与所得」または「退職所得」とされるものをいい、所得税において事業所得、一時所得、雑所得、または非課税所得とされるものは、原則として報酬給与額にはなりません

  • 給与所得・退職所得
    報酬給与額に含まれる(原則)。
  • 事業所得・一時所得・雑所得
    報酬給与額に含まれない(原則)。
    (例)プロスポーツ選手への報酬などで事業所得として扱われるものは対象外です。

2. 所得税の区分と異なる例外(報酬給与額に含まれるもの)

所得税では給与所得・退職所得とされない(あるいは非課税である)ものであっても、実質的に「労働の対価」としての性質を有するため、報酬給与額に含めるものがあります

  • 企業内年金(雑所得)
    退職後に支払われる企業年金(使用者負担分)は、所得税では「雑所得」とされますが、在職中の労働の対価としての性質があるため、報酬給与額として取り扱います。
  • 遺族への給与・退職金(相続税の対象等)
    死亡した者に係る給与や退職金で遺族に支払われるものは、所得税では課税されない(相続財産とみなされる等)場合がありますが、労働の対価であるため、報酬給与額として取り扱います。
  • 海外勤務者への給与(非課税所得)
    海外で勤務する役員・従業員(非居住者)に支払う給与は、所得税法上は国外源泉所得として課税されない(非課税)場合がありますが、法人の全世界所得獲得のための労働対価であるため、報酬給与額に含まれます。
    ※ただし、海外勤務に伴う実費弁償的な手当(在勤手当など)は除かれます。

3. 所得税の区分と異なる例外(報酬給与額に含まれないもの)

所得税では「給与所得」として課税されるものであっても、外形標準課税の計算上は報酬給与額から除外するものがあります。

  • 社宅に係る経済的利益(現物給与)
    会社が借り上げた社宅を従業員に安く貸している場合、その差額(経済的利益)は所得税で「給与所得」として課税されます。しかし、外形標準課税では、この部分はすでに「純支払賃借料」に含まれている(支払賃借料と受取賃借料の差額として計算される)ため、二重課税を防ぐ観点から報酬給与額には含めません
新屋賢人

ただし、自社所有の社宅の場合は純支払賃借料が発生しないため、給与課税される経済的利益は報酬給与額に含まれます。

まとめ表

項目所得税の扱い報酬給与額の扱い理由
通常の給与・賞与給与所得含まれる原則通り
退職金退職所得含まれる原則通り
通勤手当(非課税限度額内)非課税含まれない実費弁償のため
通勤手当(限度額超過分)給与所得含まれる労働の対価性が強いため
企業年金雑所得含まれる実質的な労働対価(後払い)のため
海外勤務者の給与非課税含まれる全世界事業への労働対価のため
社宅の経済的利益(借上社宅)給与所得含まれない純支払賃借料で捕捉されるため(二重計上防止)

5.外国において勤務する役員または使用人に対して支払う給与の取扱い

内国法人が外国において勤務する役員または使用人に対して支払う給与の、外形標準課税(付加価値割)における取扱いについて解説します。結論から申し上げますと、原則として「報酬給与額」に含まれますが、実費弁償的な手当は除かれ、また勤務場所が「恒久的施設(PE)」に該当する場合は最終的に課税標準から控除される仕組みとなっています。

1. 原則:報酬給与額に含まれる

内国法人が外国において勤務する役員または使用人に対して支払う給与は、その者が所得税法上の「非居住者」であっても、法人の事業活動に対する労務の提供の対価であるため、報酬給与額に含まれます。 たとえ所得税において非課税所得とされる場合(国外源泉所得など)であっても、事業税の報酬給与額としては取り扱う必要があります

2. 例外①:実費弁償的な手当(在勤手当等)は除く

外国勤務に伴う生活費の増加等を補填するために支給される「在勤手当」などで、実費弁償の性格を有すると認められるものは、報酬給与額に含めません

新屋賢人

国内所得税法上で非課税とされる額、または勤務地の国の法令により非課税となる額などを基礎として判断します。

3. 例外②:外国の恒久的施設(PE)に帰属する場合は控除

勤務する場所が、地方税法上の「恒久的施設(PE)」(支店、工場、出張所、1年を超える建設現場など)に該当する場合、その給与は「外国の事業に帰属する報酬給与額」となります。

  • 計算の仕組み
    1. 一旦、全世界の給与を報酬給与額として集計します。
    2. その後、外国の事業に帰属する付加価値額(外国PEに係る報酬給与額+純支払利子+純支払賃借料+単年度損益)を算定します。
    3. 全体の付加価値額から、この「外国の事業に帰属する付加価値額」を控除して課税標準を算定します。
  • 結果
    外国の恒久的施設で勤務する従業員の給与は、結果として日本の事業税の課税対象から外れることになります。

4. 留意点:海外子会社への出向など

  • 恒久的施設に該当しない場合
    駐在員事務所(補助的活動のみ)や、単なる海外出張など、勤務場所が恒久的施設(PE)に該当しない場合は、外国事業帰属分としての控除は行われず、全額が課税対象となります。
  • 海外子会社への出向
    海外現地法人(子会社)は内国法人の恒久的施設には該当しません。したがって、海外子会社へ出向した社員に対し、内国法人(出向元)が給与(留守宅手当や較差補填金など)を負担している場合、その負担額は内国法人の報酬給与額となり、課税対象となります(控除されません)。

6.請負契約にかかる代金の取り扱い

ご提示いただいた資料に基づき、外形標準課税(付加価値割)の「報酬給与額」における請負契約(業務委託契約)に係る代金の取り扱いについて解説します。

1. 原則:報酬給与額には含まれない

請負契約に基づいて支払う代金は、原則として報酬給与額には含まれません

  • 理由
    請負契約は民法上、「仕事の完成」に対して報酬を支払う契約であり、雇用契約のような「労務の提供」そのものに対する対価ではないためです。
  • 区分のポイント
    注文者が指揮命令を行わず、受託者が独立して業務を遂行し成果物を納品するような通常の請負・業務委託であれば、その支払額は「物件費」等の扱いとなり、外形標準課税の「報酬給与額」の対象外となります。

2. 例外:「名目上の請負契約」は報酬給与額となる

契約の名称が「請負」や「業務委託」であっても、実態が雇用関係と同じであると認められる場合は、「名目上の請負契約」として扱われ、その支払額(労務対価相当分)は注文者の報酬給与額に含まれます

  • 判定基準
    以下のいずれかに該当し、実質的に注文者と受託者の作業員との間に雇用関係またはこれに準ずる関係があると認められる場合が対象です。
    • 受託した法人に、請負契約に基づく事業の実態がない場合。
    • 受託した法人の作業員が、注文者の事務所等において、注文者の指揮命令下で労務を提供している場合(実質的に注文者の従業員と同じ状態で働いている場合)。
  • 計算方法
    名目上の請負とされた場合、その代金のうち「労務の提供の対価に相当する金額」を、注文者の報酬給与額として計上します。
ミミレイドン

給与と業務委託の判断基準については、こちらの記事で解説しておりますので、宜しければご覧ください。
【町田市の税理士が解説】給与と外注費(業務委託費)の判断基準について

3. 労働者派遣との違い

「労働者派遣契約(登録型派遣など)」に基づく支払いは、派遣契約料の75%を報酬給与額とする特例がありますが、この特例はあくまで労働者派遣法等に基づく派遣契約にのみ適用されます。

  • 請負契約の場合: 75%特例の適用はありません。
    • 実態が請負(独立性あり) → 全額対象外
    • 実態が派遣・雇用(名目上の請負) → 労務対価相当額を全額報酬給与額とする(75%掛け等の処理はしない)
新屋賢人

したがって、形式的に請負契約を結んでいても、実態が派遣に近い場合は「名目上の請負」として課税リスクが生じるため、指揮命令系統や業務の独立性など、実態に即した判断が必要です。

7.まとめ

付加価値割の「報酬給与額」は、単に給与台帳の合計を入れればよいわけではなく、“雇用関係(またはこれに準ずる関係)に基づく労務対価”という考え方で範囲が決まります。
とくに、出向負担金・派遣料(75%特例)・社宅・非課税手当・企業年金掛金・国外勤務者の給与などは、処理の前提(契約形態や内訳区分の有無)によって結論が変わりやすい論点です。
「赤字でも課税される」税目だからこそ、付加価値額の集計は決算後に慌てて作るのではなく、期中から科目・契約・内訳の管理を整えることが最短のリスク対策になります。
自社の取引形態(出向・派遣・社宅など)が多い場合は、申告前に一度、根拠資料(契約書、請求書の内訳、給与規程等)と突合して確認しておくと安心です。

新屋賢人

私は、合格者が年間40名程度となる税理士試験「事業税」科目に合格しており、事業税・外形標準課税をに関する数多くのご相談や計算をお受けしてきました。
「この処理で本当に合っているのか不安」「外形標準課税の対象になるのか判断できない」「報酬給与額等の集計方法がわからない」
このようなお悩みがございましたら、お気軽にこちらまでお問い合わせください。

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この記事を書いた人

町田市にあるコムレイド税理士事務所の代表税理士の新屋賢人です。大学卒業後、中堅税理士法人で5年間、業界最大手である国際四大会計事務所(BIG4)のEY税理士法人で8年間、計13年間の実務経験があります。
30代ですが、すでに法人・個人問わず幅広い業務を経験しております。BIG4という業界最大手で得た経験・知識を生まれ育った街に還元したいという強い思いから独立を決めました。

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