ミミレイドンボス、おはようございます!
今朝のテーマは何でしょうか?



今朝は確定申告に向けた業種別事業所得の計算の注意点第十一弾としまして、システムエンジニアについて整理して行きたいと思います。



SEさんですね!フリーランスと聞くと一番初めにSEさんが思いつきます!会社から独立されて一人でやられているSEさん多いですもんね!



フリーランスのシステムエンジニア(SE)として独立し、技術の研鑽や案件獲得に奔走する中で、避けて通れない大きな壁が「確定申告」です。会社員時代には会社任せだった税金の手続きを、自分一人で、しかも複雑なIT業務の実態に合わせて正しく行うのは、決して簡単なことではありません。
実は、システムエンジニアは個人事業主の中でも「申告漏れ所得金額が高額な業種」として税務署から重点的にチェックされやすい傾向にあります。せっかく稼いだ報酬も、不適切な申告で追徴課税を受けてしまっては元も子もありません。
しかし、確定申告は単なる義務ではなく、「正しく行えば大きな節税チャンス」青色申告、さらにはインボイス制度への戦略的な対応など、手取りを増やすための手段は豊富に用意されています。
「経費はどこまで認められる?」「自宅の家賃はどう按分すべき?」「準委任契約なら個人事業税が非課税になるって本当?」
本記事では、多忙なエンジニアの皆様が最短ルートで正確な申告を終え、最大限の節税効果を得るために必要な「SEならではの確定申告の全知識」を、最新の改正ポイントを交えて徹底解説します。この記事を読み終える頃には、確定申告への不安が、手元に現金を残すための確信に変わっているはずです。
システムエンジニア編
1.事業所得とは?(おさらい)
事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業、その他の事業から生じる所得を指します(山林所得や譲渡所得に該当するものを除く)。システムエンジニアやプログラマーなどの自由業から生ずる所得もこれに含まれます。
事業所得の計算方法や概要については以下の通りです。
(1). 事業所得の計算方法
事業所得の金額は、以下の計算式で算出されます。
事業所得の金額 = 総収入金額 - 必要経費
- 総収入金額(売上)
その年の1月1日から12月31日までに仕事をした分の報酬です。実際に現金が入金された日ではなく、商品の引き渡しやサービスの提供など、収益を得る権利が確定した時点で計上する「発生主義」が原則です。 - 必要経費
売上を得るために直接要した費用や、業務上の費用のことです。
(2). 主な必要経費の例
事業に関連する支出は適切に経費として計上することで、課税所得を減らし、節税につなげることができます。
- IT機器・備品
パソコン、モニター、周辺機器、ソフトウェアのライセンス料など。 - 通信費
インターネット回線使用料、仕事用の携帯電話代、クラウドサービス利用料など。 - 地代家賃・水道光熱費
事務所の家賃や、自宅兼事務所の電気代など。 - 旅費交通費
クライアント先への移動にかかる電車代やバス代など。 - 家事按分(かじあんぶん)
自宅を仕事場にしている場合、面積や使用時間などの合理的な基準に基づき、事業で使用している割合分だけを経費として計上できます。
(3). 課税方式と確定申告
事業所得は、原則として総合課税の対象となります。これは、他の所得(給与所得など)と合算して総所得金額を計算し、所得税額を算出する制度です。
- 確定申告
個人事業主は自分で1年間の所得と税額を計算し、翌年の2月16日から3月15日までの間に税務署へ申告・納税する必要があります。 - 青色申告と白色申告
青色申告を選択すると、最大65万円の青色申告特別控除や、赤字(純損失)を翌年以降3年間にわたって繰り越せるなどの税制上の特典を受けられます。
(4). 事業所得と他の所得の区分
- 雑所得との違い
その活動が「社会通念上事業と称するに至る程度」で行われているかどうかで判定されます。一般的に、営利性、有償性、継続性があり、帳簿書類の保存などが行われていれば事業所得とみなされます。 - 給与所得との違い
給与所得は雇用契約に基づき使用者の指揮命令下で提供した労務の対価であるのに対し、事業所得は自己の計算と責任において独立して営まれる業務から生じるものです。
(5). その他の関連税金
- 個人事業税
法定業種に該当し、年間の事業所得が290万円(事業主控除)を超える場合に課される地方税です。 - 消費税
前々年の課税売上高が1,000万円を超えている場合や、インボイス発行事業者の登録をしている場合に納税義務が生じます。



消費税は、原則として基準期間(通常は2年前)の課税売上高が1,000万円を超えると課税事業者となります。また、特定期間の判定など例外もあります。そのほか、適格請求書発行事業者(インボイス)として登録した場合にも、課税事業者となります



事業所得については、こちらの記事で解説しておりますので、宜しければご覧ください。
【町田市の税理士が解説】個人の事業所得の基礎知識について
2.システムエンジニアの収入
システムエンジニア(SE)の収入は、その働き方や契約形態によって、税務上「事業所得」「給与所得」「雑所得」のいずれかに分類されます。具体的にどのようなものが収入になるか、働き方別に詳しく解説します。
(1). フリーランスとして活動する場合(事業所得)
独立して個人事業主として活動する場合、クライアントから支払われる報酬は「売上」として扱われ、そこから経費を差し引いたものが「事業所得」となります。
- 開発・運用報酬
プログラミング、コーディング、システム開発、Webサイト制作、仕様書の作成、ネットワークやサーバーの運用・保守などの代金が含まれます。 - コンサルティング・講演料
ITコンサルタントとしての助言業務や、専門知識を活かした講演活動による報酬です。 - 執筆報酬
技術解説記事や専門書籍の執筆などによって得られる原稿料です。 - デザイン料
システムの裏側だけでなく、Webデザインなどを一括で担当した場合のデザイン代金も含まれます。 - 著作権・知的財産の使用料
開発したソフトウェアの著作権使用料(ロイヤリティ)などが該当します。
フリーランスの場合、入金日ではなく、その年の1月から12月までに仕事をして報酬を得る権利が確定した分(発生主義)をその年の収入(売上)として計上します。
(2). 企業に雇用されている場合(給与所得)
正社員、契約社員、派遣社員、あるいはアルバイトとして企業と雇用関係がある場合の収入は「給与所得」となります。
- 基本給・賞与
毎月の賃金やボーナスです。 - 各種手当
残業手当や役職手当などが含まれます。 - 特定の支出控除
会社員であっても、通勤費や図書費、資格取得費などが一定額を超える場合、特定支出控除として所得から差し引ける場合があります。



独立してクライアントから業務委託として報酬を受け取っている場合でも、契約の内容によっては事業所得ではなく、その契約の性質から給与とみなされて、給与所得となるケースがありますので、ご注意ください。



委託契約か雇用契約かの判断基準はこちらの記事で解説しておりますので、よろしければご覧ください。
【町田市の税理士が解説】給与と外注費(業務委託費)の判断基準について
(3). 副業や小規模な活動の場合(雑所得)
本業が会社員で、副業としてSE業務を行っている場合などは、その収入が「雑所得」に分類されることが一般的です。
- 副業収入
営利性や継続性が低く、「事業」と呼べる規模に達していない場合の報酬です。 - 暗号資産等の利益
エンジニアとしての業務以外に、暗号資産(仮想通貨)の取引などで得た利益も雑所得に含まれます。



会社員の副業であっても、営利性・継続性・独立性、取引規模、記帳状況などの実態により「事業所得」となる場合があります。
一方で、事業といえる規模に至らない場合は「雑所得(業務)」に区分されることがあります。



雑所得についてはこちらの記事で解説しておりますので、よろしければご覧ください。
【町田市の税理士が解説】個人の雑所得の基礎知識について
(4). 収入に関する注意点
- 源泉徴収
通常のプログラミングやシステム開発の報酬は源泉徴収の対象外ですが、講演料、原稿料、デザイン(意匠)料などは支払時に所得税が天引き(源泉徴収)されることがあります。 - 手取りの考え方
フリーランスの場合、手元に残る金額(手取り)は、「売上(年収) - 経費 - 税金・保険料」という式で計算されます。 - 消費税
年間の課税売上高が1,000万円を超える場合や、インボイス登録を行っている場合は、報酬とともに受け取った消費税を国に納付する義務が生じます。



システムエンジニアの収入を正確に把握し、適切に確定申告を行うことで、青色申告特別控除(最大65万円)などの税制上の特典を受けることができ、節税につながります。



Webサイトの「デザイン(意匠)」は源泉徴収の対象ですが、SEが行う「システム設計(基本設計・詳細設計)」は、言葉は「設計(デザイン)」でも源泉徴収の対象外です。



源泉徴収の要否は、報酬の「名目」ではなく「実態」で判断されます。
原稿料・講演料・デザイン料など、所得税法204条の対象となる報酬は源泉徴収が必要です。一方、一般的なシステム開発委託料は通常これらの類型に該当しないことが多いものの、契約内容がデザイン・原稿・講演等に該当する場合は源泉徴収対象となり得ます。
3.システムエンジニアの売上原価と棚卸
システムエンジニア(SE)の業務は、自らのスキルや労働力を提供して価値を生み出すため、小売業のような物理的な商品の仕入れや在庫管理は一般的ではありません。しかし、外部への業務委託(外注)や年をまたぐプロジェクトの進行管理において、「売上原価(仕入)」や「棚卸」の考え方は税務・会計上非常に重要です。
(1). システムエンジニアにおける「売上原価(仕入)」
SEにとっての「仕入」や「売上原価」は、主に外部のエンジニアやデザイン会社に業務の一部を委託した際の費用(外注費)が該当します。
- 外注費の扱い
特定の開発プロジェクトを完遂するために外部リソースを活用した場合、その支払額は売上を得るために直接要した費用として、売上原価(仕入)の性質を持ちます。 - その他の費用
サーバー利用料(AWS等)やドメイン取得費、開発ツールのライセンス料などは、一般的には「通信費」や「消耗品費」として処理されますが、特定の案件専用に支出したものであれば原価としての性格を帯びることもあります。
(2). 「棚卸」の概念と実務上の処理
SEの実務において、物理的な「在庫」の棚卸は少ないですが、「仕掛品(しかかりひん)」という形での棚卸が極めて重要になります。
- 仕掛品の棚卸
12月末(決算時)において、作業は進んでいるがまだ検収(売上確定)が済んでいないプロジェクトがある場合、その案件のために既に支払った外注費などは、その年の経費にはできません。これらを「仕掛品」として資産に計上し、翌年売上が上がったタイミングで経費(売上原価)に振り替える処理が必要です。 - 消耗品の棚卸
大量に購入した未使用の備品(未開封のソフトウェアパッケージ、予備のPCパーツ等)がある場合、年末に実数を数えて棚卸表を作成し、在庫として計上する必要があります。 - 評価方法の届出
個人事業を始めた際には、最初の確定申告期限までに「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」を税務署へ提出する項目があります。



期末時点で未完了の案件がある場合の取扱いは、契約形態・売上計上基準により異なります。請負型で完成(引渡し・役務完了)時に売上計上する実態の場合、期末未完成部分に対応する直接原価(外注費等)を繰り越す整理が論点になります。
一方、準委任型など役務提供の進行に応じて収益計上する実態では、当期の役務提供に対応する費用は当期に計上します。
(3). 会計・税務処理のルール
SEの会計処理は、現金が入った時ではなく、サービスの提供が完了した時に計上する「発生主義」が原則です。
- 期間対応の原則
売上とその売上を得るためにかかった原価(外注費など)は、同じ会計年度に計上しなければなりません。売上が翌年になるのであれば、その原価も棚卸によって翌年に繰り越す必要があります。
(4). 実務上のポイントと注意点
税務調査において、SEは「売上の計上時期」や「不適切な経費(原価)計上」を厳しくチェックされる傾向にあります。
- プロジェクト別管理
どの外注費がどの案件(売上)に対応しているかを明確にしておく必要があります。これが曖昧だと、棚卸(仕掛品計上)の漏れを指摘されるリスクが高まります。 - インボイス制度への対応
外注先(仕入先)がインボイス登録をしていない免税事業者の場合、支払った額全額を仕入税額控除として差し引くことができなくなります(経過措置あり)。外注費の交渉や税額計算に大きな影響を与えるため、相手方の登録状況の把握は必須です。 - 証憑の保存
外注先からの請求書や納品書、検収記録などの証憑書類は、内容の正当性を証明するために原則7年間保存(青色申告の場合)する義務があります。 - 不適切な処理のペナルティ
原価の水増しや在庫(仕掛品)の意図的な過少申告は、過少申告加算税や重加算税などの重いペナルティの対象となります。



SEの棚卸は目に見えない「作業途中の原価」を扱うため、会計ソフトなどを活用して案件ごとの収支をこまめに記録・管理することが、正確な申告への近道となります。
4.システムエンジニアの経費
システムエンジニア(SE)が経費として計上できるものは、原則として「収入を得るために直接必要な支出」です。SEの業務実態に即した具体的な経費項目とその判断基準、注意点について詳しく解説します。
(1). システムエンジニア特有の主な経費項目
SEの業務では、IT機器やソフトウェア、通信環境に関する支出が中心となります。
- IT機器・周辺機器
パソコン本体、モニター、マウス、キーボード、プリンター、外付けHDD、外部グラフィックボードなどが該当します。 - ソフトウェア・開発ツール
有料ソフトウェア、アプリ(月額課金型含む)、IDE(Visual Studio、JetBrains製品など)やCADのライセンス料が経費になります。 - 通信費・インフラ
インターネット回線料、モバイルWi-Fi、仕事用の携帯電話代、クラウドサービス利用料(AWS、GCP、Azureなど)、ドメイン取得費、レンタルサーバー代が含まれます。 - 書籍・研修・資格取得
技術書、IT関連雑誌、セミナー参加費、オンライン講座受講料(Udemyなど)、業務に必要な資格(基本情報、応用情報、AWS認定など)の受験料が対象です。 - 消耗品費
文房具、プリンターインク、コピー用紙、USBメモリ、パソコン用ブルーライトカット眼鏡、マイクヘッドセットなどが該当します。
(2). 作業環境・移動・交際に関する経費
自宅や外部での作業、クライアントとの関係維持にかかる費用も経費にできます。
- 地代家賃・水道光熱費
事務所の家賃、レンタルオフィス代、コワーキングスペース利用料のほか、自宅兼事務所の場合は家事按分(後述)した一部の金額が経費になります。水道光熱費は、主に業務で使用する電気代が中心となります。 - 旅費交通費
クライアント先への訪問や、セミナー・勉強会への参加に伴う電車代、バス代、タクシー代、宿泊費などが該当します。 - 接待交際費・会議費
顧客との打ち合わせ時のカフェ代や食事代、ビジネス関係維持のための贈答品代が含まれますが、明確な「事業目的」が必要です。 - 外注費
ホームページ制作や名刺デザイン、特定の開発業務を外部のエンジニアやデザイナーに委託した際の費用です。
(3). SEが知っておくべき重要なルール
経費を計上する際には、以下の制度や考え方を理解しておくことが不可欠です。
- 家事按分(かじあんぶん)
自宅を仕事場にしている場合、家賃や電気代、通信費などの生活費と事業費が混在する費用について、面積や使用時間などの合理的な基準に基づき、事業に使用した分だけを算出・計上します。



家事按分については、こちらの記事で解説しておりますので、宜しければご覧ください。
【町田市の税理士が解説】個人事業主(フリーランス)の経費の家事按分について
- 減価償却(げんかしょうきょく)
10万円以上のパソコンやソフトウェアなどの固定資産は、一括で経費にせず、耐用年数(パソコンは原則4年、サーバー用は5年)に応じて数年間に分けて計上します。 - 青色申告の特例
青色申告者の場合、30万円未満の資産であれば、年間合計300万円まで取得した年に一括で経費計上できる「少額減価償却資産の特例」が活用できます。
参照:主な減価償却資産の耐用年数表
参照:減価償却資産の耐用年数表
参照:国税庁タックスアンサー No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
(4). 経費として認められないものの例
事業に関連がない、または私的な性質が強い支出は経費になりません。
- 所得税・住民税
個人にかかる税金であり、事業経費ではありません。 - プライベートの支出
仕事に関係のない友人・家族との飲食代、家族旅行費用、趣味の音響機器、健康診断費用などが該当します。 - 一般的な衣服
スーツやバッグはプライベートでも使用できるため、原則として経費になりません。ただし、特定の作業用衣類などは認められる場合があります。 - 社会保険料
国民年金や国民健康保険は経費にはなりませんが、確定申告時に「所得控除」として所得から差し引くことができます。



正確な経費計上のためには、領収書やレシートを必ず保管し、事業との関連性を説明できるようにしておくことが重要です。
5.確定申告の際のシステムエンジニアならではの注意点
確定申告において、システムエンジニア(SE)には機材の購入や契約形態、税金の区分など、IT専門職ならではの注意点がいくつかあります。以下に詳しく解説します。
(1). 収入と源泉徴収の注意点
フリーランスSEの主な業務であるプログラミングやシステム開発の報酬は、原則として所得税の源泉徴収の対象外です。しかし、以下のケースでは源泉徴収されることがあり、注意が必要です。
- 源泉徴収の対象となる業務
技術記事の執筆(原稿料)、講演(講演料)、Webデザイン(デザイン料)、コンサルティング(経営コンサルタント報酬)などは源泉徴収の対象となります。 - 「支払調書」の取り扱い
取引先から「支払調書」が送られてくることがありますが、これは確定申告書に添付する必要はありません。売上は支払調書の金額ではなく、その年の12月31日までに提供したサービスの対価(発生主義)で計上します。
(2). SE特有の経費と節税メリット
SEは高額な機材を必要とするため、申告方法によって経費計上のルールが変わります。
- パソコン購入費(30万円未満の特例)
10万円以上のパソコンは通常、法定耐用年数(4年)にわたって減価償却しますが、青色申告者であれば、30万円未満の機材を一度に全額経費として計上できる「少額減価償却資産の特例」が適用可能です(年間合計300万円まで)。 - SEならではの経費項目
開発ツール・IDEのライセンス料、クラウドサービス(AWS/GCP/Azureなど)利用料、技術書代、セミナー参加費などは重要な経費です。 - 家事按分(かじあんぶん)
自宅兼事務所で電気代や通信費(ネット代)が発生する場合、業務で使用している割合を「作業時間」や「面積」などの合理的な基準に基づいて按分し、経費に含めることができます。
(3). 個人事業税に関する「SEならでは」の判断
SEにとって非常に重要なのが、地方税である「個人事業税」です。
- 「請負」か「準委任」か
SEは法定業種の「請負業」に該当するとみなされ課税(税率5%)されることが多いですが、「準委任契約」(業務遂行が目的で、成果物責任を負わない形態)の実態であれば非課税と判断される場合があります。 - 特殊な書類「個人事業内容に関する明細書」
課税対象か判断するために、都道府県税事務所からこの書類の提出を求められることがあります。ここで「クライアントの指揮監督を受けているか」「代替性があるか」といった質問への回答内容が、個人事業税の課税の成否を分けるポイントになります。



個人事業税は、地方税法等で定められた法定業種に該当する場合に課税されます(例:請負業、コンサルタント業など)。
SE、IT業務がどの法定業種に該当するかは、契約書の名称だけでなく業務実態により判断され、都道府県によって照会(お尋ね)を受けることがあります。不明な場合は所轄の都税事務所(道府県税事務所)へ確認するのが確実です。例えば、SEやプログラマーの職種であれば、原則、非課税となりますが、業務実態が、ホームページ制作によるデザイン業や請負業と判断されると課税対象となります。
(4). 特殊な添付書類・保存が必要な書類
SEとして申告する際、特に以下の書類に注意してください。
- 青色申告決算書の「減価償却費の計算」欄
30万円未満のパソコンなどを一括経費にする場合、決算書のこの欄に詳細を記載し、適用条文として「措法28条の2」を明記する必要があります。 - 個人事業内容に関する明細書
上述の通り、個人事業税の判定のために求められることがあるSE特有の提出書類です。 - 家事按分の根拠資料
提出義務はありませんが、税務調査対策として、事業用スペースの間取り図や写真、ネット回線の利用実態を示す記録などを保存しておくことが推奨されます。 - 源泉徴収票
会社員が副業でSEをしている場合や、年の途中で独立した場合は、給与所得の源泉徴収票が必要です。



システムエンジニアは、1件当たりの申告漏れ所得金額が高額になりやすい業種として税務署に認識されているため、正確な記帳と根拠に基づいた申告が特に重要です。
6.システムエンジニアが税務調査で指摘されるポイント
システムエンジニア(SE)は、個人事業主の中でも1件あたりの申告漏れ所得金額が高額な業種の上位に入ることが多く、税務署から重点的にチェックされやすい傾向があります。
上記5と重複する論点もありますが、税務調査において指摘されやすい主なポイントを整理していきましょう。
(1). 売上の計上時期と正確性
売上は原則として、現金が入金された日ではなく、「取引が発生した時点」で計上する(発生主義)必要があります。
- 期末の売上計上漏れ
12月に着手し、検収や請求が翌年1月になるプロジェクトでも、12月までに完了した作業分は当年の売上として計上しなければなりません。 - 売上の過少申告
意図的に売上額を減らしたり、計上時期をずらしたりする行為は脱税とみなされます。 - 消費税の免税点調整
年間売上が1,000万円を超えると消費税の課税事業者となりますが、これを免れるために売上を1,000万円以下に調整していないか厳しくチェックされます。特に年収900万円台で申告しているSEは調査対象になりやすいです。
(2). 外注費か給与かの判定(雇用実態の確認)
企業から受け取る報酬が「外注費」として認められるか、実質的には「給与」ではないかが非常に重要な争点となります。
- 指揮命令権の有無
クライアントの指揮監督下で、時間や場所を細かく指定されて働いている場合、実態は雇用関係(給与)とみなされるリスクがあります。 - 代替性
その業務を他の人に任せることができるか(非代替性)も判断基準の一つです。 - 用具の負担
パソコンなどの仕事道具を自前で用意しているか、会社から支給されているかも確認されます。
(3). 経費の妥当性と証憑の保管
「事業に直接関連する支出」のみが経費として認められます。
- 私的支出の混入
友人との飲食代、私的な旅行、家族が使う備品など、プライベートな費用を経費に含めていないか精査されます。 - 架空外注費
実際には発生していない外注費を計上して所得を圧縮する行為は、重いペナルティの対象となります。 - 証憑(領収書等)の不備
領収書やレシートが保管されていない経費は否認される可能性が高いです。クレジットカードの明細だけでは不十分な場合もあります。
(4). 家事按分の合理性
自宅兼事務所の場合、家賃や水道光熱費、通信費などを事業用と私用で分ける「家事按分」が適切かどうかが問われます。
- 客観的な根拠
使用面積や使用時間など、合理的な基準に基づいた按分割合である必要があります。 - 按分率の過大計上
根拠なく按分率を高く設定し、多額の経費を計上していると指摘を受けます。 - 同一生計内での支払い
生計を一にする家族に支払う家賃などは、原則として経費にできません。
(5). 確定申告の有無と期限
- 無申告
そもそも確定申告をしていない場合は、クライアントへの税務調査などから発覚し、重い加算税や延滞税が課されます。 - 期限後申告
期限を1日でも過ぎると、最大65万円の青色申告特別控除が受けられなくなる(最大10万円に減額される)という大きな実害が生じます。



日頃から領収書を整理し、合理的な基準で帳簿を付け、期限内に正確な申告を行うことが、税務調査における最大のリスク回避策となります。
7.まとめ
システムエンジニアとしての独立は、自由な働き方を手に入れられる一方で、「確定申告」という避けては通れない大きな壁も存在します。しかし、今回解説したポイントをしっかり押さえておけば、決して恐れる必要はありません。
最後に、2026年に行う(2025年分)確定申告に向けて特に重要な3つのポイントを振り返りましょう。
- 「青色申告」と「e-Tax」で節税効果を最大化する
正規の簿記で記帳し、e-Taxによる電子申告を行うことで、最大65万円の青色申告特別控除を受けることができます。SEは他業種に比べ原価が少ない傾向にあるため、この控除の活用は手元資金を残すために非常に重要です。 - SEならではの経費と「家事按分」を正確に計上する
30万円未満のパソコン購入費(少額減価償却資産の特例)や、自宅での作業スペースに応じた家賃・電気代の「家事按分」は、エンジニアにとって大きな節税ポイントです。税務調査で根拠を説明できるよう、日頃から領収書を整理し、合理的な基準で計算しておきましょう。 - 税制改正とインボイス制度への対応を怠らない
2026年に行う(2025年分)確定申告からは基礎控除額が58万円へ引き上げられるなどの変更点があります。また、インボイス登録の有無による報酬への影響や、契約形態(準委任か請負か)による個人事業税の判定など、IT専門職特有のルールにも注意が必要です。



確定申告は、単なる納税の手続きではなく、自分の事業の収支を振り返り、次の一手を考えるための大切なプロセスです。
「何から手をつければいいか分からない」という方は、まずは会計ソフトなどを活用して日々の記帳を自動化することから始めてみてください。事務作業の負担を最小限に抑えることで、本来の強みである「開発業務」に全力投球できる環境を整えていきましょう。
もし、複雑な家事按分の判断やインボイス制度への対応に不安がある場合や、会計処理の時間も開発業務に充てたいと考えている方は、早めに税理士へ相談することをおすすめします。税理士をお探しの方は、お気軽にこちらまでお問い合わせください。
正しい知識と早めの準備で、スムーズな確定申告を目指しましょう!










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