ミミレイドンボス、おはようございます!
今朝のテーマは何でしょうか?



今朝は暗号資産の第6弾として、暗号資産に係る消費税について整理して行きたいと思います。



昨日までは法人税関係でしたが、今朝は消費税なのですね!



「暗号資産って、消費税はかかるの?」
こう聞かれて即答できる方は、実は多くありません。暗号資産の売買そのものは非課税なのに、取引所の手数料やレンディングの利用料には消費税がかかる…この“ズレ”が、会計処理や申告でのミスにつながりやすいポイントです。
今朝は、法人が暗号資産を「取得」「譲渡」「貸付け」する場面ごとに、消費税の基本ルールと実務上つまずきやすい注意点を整理します。



①暗号資産基礎編(個人・法人)、②暗号資産基礎編(法人税関係)、③暗号資産期末評価編(法人税関係)、④暗号資産の分類編(法人税関係)、⑤暗号資産信用取引編(法人税関係)については、こちらの記事をご覧ください。
【町田市の税理士が解説】暗号資産の税務上の注意点:①暗号資産基礎編(個人・法人)
【町田市の税理士が解説】暗号資産の税務上の注意点:②暗号資産基礎編(法人税関係)
【町田市の税理士が解説】暗号資産の税務上の注意点:③暗号資産期末評価編(法人税関係)
【町田市の税理士が解説】暗号資産の税務上の注意点:④暗号資産の分類編(法人税関係)
【町田市の税理士が解説】暗号資産の税務上の注意点:⑤暗号資産信用取引編(法人税関係)
⑥暗号資産に係る消費税編(消費税関係)
0.暗号資産とは?(おさらい)
暗号資産(仮想通貨)とは、一言で言えば「インターネット上でやり取りできる、形のないデジタル資産」のことです。
以前は「仮想通貨」と呼ばれることが一般的でしたが、現在は国際的な基準に合わせて「暗号資産」という呼び方が公的な名称となっています。
暗号資産が日本円やドルのような「法定通貨」と大きく違う点は、主に以下の3つです。
- 特定の管理者がいない(分散型)
銀行のような中央組織が存在せず、世界中のコンピューターがネットワーク(ブロックチェーン)を通じて取引を監視・記録しています。 - データの改ざんが非常に困難
「暗号技術」を用いることで、取引データの偽造や二重洗いを防いでいます。 - 世界中で24時間365日送金可能
インターネットさえあれば、国境を越えて直接相手に送金でき、銀行の営業時間や高い仲介手数料を気にする必要がありません。
(1).法定通貨との違い
| 特徴 | 法定通貨(円・ドルなど) | 暗号資産(ビットコインなど) |
| 発行元 | 中央銀行(日本銀行など) | なし(プログラムによる自動発行) |
| 形態 | 紙幣・硬貨・デジタルデータ | デジタルデータのみ |
| 価値の裏付け | 国家の信用 | 需給バランスや技術への期待 |
| 価格変動 | 比較的安定している | 非常に激しい |
(2).代表的な暗号資産の例
2026年現在も、数千種類以上の暗号資産が存在しますが、特に有名なものは以下の通りです。
- ビットコイン (BTC)
「デジタルゴールド」とも呼ばれる、世界で最初に誕生した最も有名な暗号資産です。 - イーサリアム (ETH)
単なる決済だけでなく、スマートコントラクト(契約の自動実行)という仕組みを備えたプラットフォームとしての機能を持っています。 - ステーブルコイン
円やドルの価格に連動するように設計された、価格変動が少ないタイプです。



暗号資産は価格の変動が激しく、投資としての側面が強い一方で、ハッキングやパスワードの紛失による資産の消失といったリスクも伴います。利用する際は、信頼できる交換業者を選び、セキュリティ対策を徹底することが重要です。
1.暗号資産を取得した場合の消費税
法人が暗号資産を取得(購入)した場合の消費税の取り扱いは、暗号資産の代金自体と、購入に伴う手数料とで異なります。具体的な取り扱いは以下の通りです。
(1). 暗号資産自体の取得(購入)は「非課税」
消費税法上、暗号資産などの支払手段等の譲渡は非課税とされています。そのため、暗号資産自体を購入するための代金には、消費税は課されません。
(2). 取引の仲介手数料は「課税対象」
暗号資産自体の購入は非課税ですが、購入時に暗号資産交換業者に対して取引の仲介料として支払う手数料は、仲介に係る役務の提供の対価に該当するため、消費税の課税対象となります。
(3). 税抜経理方式を適用している場合の「取得価額」の計算
法人が消費税法上の課税事業者に該当し、かつ、「税抜経理方式」を適用している場合、取得価額の計算に注意が必要です。 支払った手数料に含まれる消費税等の額と課税取引の対価の額(税抜金額)を区分し、税抜金額のみを暗号資産の支払対価の額に加算した金額が、その暗号資産の取得価額となります。
【計算例】 2,000,000円で暗号資産を購入し、購入時に手数料550円(消費税10%込)を支払った場合:
- 手数料の消費税額:50円(=550円×10/110)
- 手数料の税抜金額:500円(=550円-50円)
- 取得価額:2,000,500円(=購入代価2,000,000円+手数料の税抜金額500円)
(4). 個別対応方式を採用している場合の取り扱い
法人が消費税の確定申告において、仕入控除税額の計算に「個別対応方式」を採用している場合、暗号資産の売買を目的(投資目的)とした購入に係る手数料は、「課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ(いわゆる非課税売上げに対応する課税仕入れ)」として取り扱われます。



この区分に該当する課税仕入れに係る消費税額は、原則として仕入税額控除の対象にならないのですね。



暗号資産の売買を「投資目的」ではなく「事業(トレーディング)として反復継続」して行う場合や、暗号資産を「決済手段として使用」する場面では、「共通対応」として区分されるケースも実務上あり得ます。
2.暗号資産を譲渡した場合の消費税
法人が国内の暗号資産交換業者を通じて暗号資産を譲渡した場合の消費税の取扱いは、以下のようになります。
(1). 暗号資産の譲渡自体は「非課税」
消費税法上、暗号資産の譲渡は「支払手段及びこれに類するもの」の譲渡に該当するため、消費税は課されません(非課税取引となります)。
(2). 課税売上割合の計算には含めない
消費税の確定申告(一般課税)で仕入控除税額を計算する際、通常は課税売上高、免税売上高、非課税売上高を基に「課税売上割合」を算出します。しかし、支払手段等に該当する暗号資産の譲渡については、特例として課税売上割合の計算上、分母・分子のいずれにも算入しません。



支払手段等に該当する暗号資産の譲渡については、課税売上割合の計算上、分母となる資産の譲渡等の対価の額に含める必要はないため、いくら暗号資産の譲渡を行ったからと言って、課税売上割合の計算に影響を与えないという意味です。
3.暗号資産の貸付けにおける利用料の消費税
利用料を対価とする暗号資産の貸付けには、消費税が課されます(課税対象となります)。
具体的な理由と税務上の考え方は以下の通りです。
- 「資産の貸付け」に該当する
契約期間が満了した後、貸し付けた暗号資産と同種・同等の暗号資産が返還されるとともに、その貸付けに対して利用料が支払われる取引は、事業者が対価を得て行う「資産の貸付け」に該当します。 - 非課税取引に該当しない
消費税法上、暗号資産の「譲渡(売買など)」は支払手段の譲渡として非課税取引とされていますが、暗号資産の「貸付け」は、支払手段等の譲渡、利子を対価とする金銭の貸付け、有価証券の貸付けなど、消費税法で規定されている非課税取引のいずれにも該当しません。
したがって、法人が暗号資産を貸し付けて得た利用料は、消費税の課税対象として処理する必要があります。



国外の事業者に対して暗号資産を貸し付ける場合は、輸出免税(消費税法第7条)の適用対象となり得るため、注意が必要です。
4.まとめ
暗号資産に関する消費税の取り扱いは、「売買自体は非課税だが、手数料は課税対象」「貸付(レンディング)の利用料は課税売上」など、取引の内容によって適用されるルールが異なります。
特に、仕入税額控除の計算(個別対応方式における用途区分)や課税売上割合の計算特例などは、経理処理の段階で適切に区分しておかないと、決算・申告時に大きな修正作業が発生したり、税務調査でペナルティを受けたりする原因になります。
暗号資産の税務は法令の整備やアップデートが続いており、自己判断で処理するのはリスクが伴います。少しでも迷う点や複雑な取引がある場合は、早い段階で暗号資産の実務に強い税理士などの専門家へ相談することをおすすめします。










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