ミミレイドンボス、おはようございます!
今朝のテーマはなんでしょうか?



今朝は源泉徴収について、整理していこうと思います。



毎月給与から引かれているアレですね。



そうですね!給与について、源泉徴収されることは、皆さんご存知かと思いますので、今回は、報酬にフォーカスして整理しようと思います。
源泉徴収は、報酬を支払う側の「義務」であり、これを怠ると、最高10%の「不納付加算税」という恐ろしいペナルティが課されてしまいます。特にフリーランスや外部の専門家に業務を委託する機会が多い現代において、この知識は会社経営の生命線です。
この記事では、誰にでも「源泉徴収が必要な取引」が判断できるよう、その目的、対象範囲、そして絶対に外せない手続きの注意点を、わかりやすく解説します。
1. はじめに(源泉徴収とは何か?その目的と仕組み)
(1).源泉徴収とは?その目的と仕組み
源泉徴収(源泉所得税)とは、給与や報酬を支払う側が、あらかじめ受け取る側の所得税(および復興特別所得税)を差し引き(天引き)、受け取る本人に代わって国に納める制度です。
会社員の場合、毎月の給与から税金が引かれているのを見たことがあるはずです。これこそが源泉徴収です。
この制度の主な目的は、税収の安定確保と、納税者(報酬を受け取る側)が自分で税務署に所得税を納める手間を省くことによる納税負担の平準化です。納税者にとっては「前払い」のようなイメージですね。
(2).誰が源泉徴収義務を負うのか?
この「天引きして納める義務」を負うのは、源泉徴収義務者と呼ばれる報酬の支払い側です。
源泉徴収義務者には、会社(法人)はもちろん、官公庁、学校、社団、財団、そして個人事業主も含まれます。
ただし、個人事業主の場合、常時2人以下の家事使用人だけに給与を支払っている場合など、一定の要件を満たす場合には、原則として源泉徴収義務は発生しません(ただし、ホステス等への報酬は例外です)。
2. 源泉徴収が必要な主な取引の分類
源泉徴収が必要かどうかを判断する最初のステップは、「支払いの内容(報酬の種類)」と「支払先の属性(個人か法人か、居住者か非居住者か)」を確認することです。
(1).国内取引における源泉徴収対象
①相手が個人の場合
国内の居住者に対して特定の報酬・料金を支払う場合、源泉徴収の対象となります。これらの報酬は、所得税法によって限定的に列挙されています。
| No. | 報酬・料金の種類 | 具体的な例や含まれるもの | 根拠条文 |
| 1 | 原稿料や講演料など | セミナーの講師料、ライターへの原稿料、デザイン料、著作権使用料、翻訳・通訳の料金、挿絵や写真の報酬など | 所法204条1項1号 |
| 2 | 特定の資格者への報酬 | 弁護士、公認会計士、税理士、司法書士などへの報酬・料金 | 所法204条1項2号 |
| 3 | 社会保険診療報酬 | 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬 (患者からの診療費や保険者からの直接支払いは対象外) | 所法204条1項3号 |
| 4 | プロの役務提供報酬 | プロ野球選手、モデル、外交員、集金人、プロスポーツ選手、監督、トレーナーなどへの報酬 | 所法204条1項4号 |
| 5 | 芸能関係の報酬 | 映画、演劇、芸能の出演料や、芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬 | 所法204条1項5号 |
| 6 | ホステス・コンパニオン報酬 | バー、キャバレーなどに勤めるホステスやバンケットホステス・コンパニオンなどへの報酬 | 所法204条1項6号 |
| 7 | 契約金 | プロ野球選手の契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う契約金 | 所法204条1項7号 |
| 8 | 賞金 | 広告宣伝のための賞金、馬主に支払う競馬の賞金 | 所法204条1項8号 |
名目が「謝礼」「取材費」「車代」などであっても、その実態が上記の報酬・料金と同じであれば、すべて源泉徴収の対象になります。
②相手が法人の場合
支払先が内国法人(日本の法人)である場合、原則として源泉徴収義務は生じません。
唯一の例外は、馬主である法人に支払う競馬の賞金です。
参照:国税庁ホームページタックスアンサー No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは
(2).国外取引における源泉徴収対象
支払先が非居住者(日本国内に住所も居所もない個人)や外国法人(非居住者等)の場合、源泉徴収が必要になるかどうかは、その支払いが「国内源泉所得」に該当するかどうかで判断されます。
国内源泉所得の代表的なものは以下の通りです。
- 国内にある不動産の賃借料
非居住者や外国法人に国内の不動産の賃借料を支払う場合、源泉徴収が必要です。 - 工業所有権や著作権の使用料
著作物の複製、翻訳、映画化、機械・装置・用具(車両、運搬具、工具、器具及び備品)の使用料などです。 - 人的役務の提供の報酬
国内において行った勤務や役務提供に対する報酬(内国法人の役員が国外で行った勤務に対する報酬も含む)。
ただし、国外取引において最も重要な注意点は、日本と相手国の間で租税条約が締結されている場合、その条約の定めによって課税が軽減または免除され、源泉徴収が不要になることがあるという点です。
参照:国税庁ホームページタックスアンサー No.2884 非居住者等に対する源泉徴収・源泉徴収の税率
参照:国税庁ホームページタックスアンサー No.2885 非居住者等に対する源泉徴収のしくみ
3. 源泉徴収が不要なケース
上記の「源泉徴収が必要な取引」に該当する場合でも、例外的に源泉徴収が不要になるケースがあります。
- 軽微な賞金・謝金
懸賞応募作品等の入選者に支払う賞金や、新聞・雑誌等への投稿の謝金などで、一人に対して1回に支払う金額が50,000円以下であれば、源泉徴収は不要です。 - 実費精算の取り扱い
報酬・料金の支払者が、役務を提供する人の旅行や宿泊の費用を負担する際、交通機関やホテル等へ直接支払い、かつ、その金額が通常必要な範囲内であると認められる場合は、報酬・料金に含めなくても差し支えありません。 - 立替金が明確な場合
弁護士や税理士などに支払う金銭等であっても、登記にかかる登録免許税や手数料など、本来依頼者が国等に対して納付すべきもので、その士業が立替払したことが明確なものについては、源泉徴収の対象外です。 - 行政書士の報酬
弁護士や税理士のような特定の資格者報酬には該当しないため、原則として源泉徴収の対象外です(ただし、業務内容によっては源泉徴収が必要な業務に該当する場合があるため注意が必要です)。 - 非居住者への不動産賃借料の例外
個人が、自己またはその親族の居住の用に供するために国内の土地や家屋を借り受け、非居住者等に賃借料を支払う場合は、源泉徴収をする必要はありません。
4. 源泉徴収の手続きと注意点
源泉徴収の義務を果たすためには、正確な計算と期日厳守の納付が必須です。
(1).税率と計算方法
源泉徴収の税額は、所得税と復興特別所得税(所得税額の2.1%)の合計(10.21%や20.42%など)となります。
国内の居住者へ報酬を支払う場合の一般的な税率と計算方法は以下の通りです。
| 支払金額(1回につき) | 税率 | 計算方法 |
| 100万円以下 | 10.21% | 支払金額 × 10.21% |
| 100万円超 | 20.42% (超過分) | (支払金額 – 100万円) × 20.42% + 102,100円 |
例えば、弁護士に150万円の報酬を支払う場合、税額は(150万円 – 100万円)× 20.42% + 102,100円 = 204,200円となります。



もし、契約が「手取り10万円を支払う」という形で、源泉徴収後の金額(手取額)を定めている場合、税額を差し引く前の総支払額(グロス額)を逆算(グロスアップ計算)して税額を計算する必要があります。
源泉徴収後の金額が端数になるのを嫌って、手取契約としているケースが意外と多いので、注意しましょう。
参照:国税庁ホームページタックスアンサー No.2798 弁護士や税理士等に支払う報酬・料金
(2).消費税の影響
報酬・料金の額の中に消費税および地方消費税の額(消費税等)が含まれている場合、原則として、消費税等を含めた金額が源泉徴収の対象となります。
しかし、請求書等において、報酬・料金の額と消費税等の額が明確に区分されている場合には、その報酬・料金の額のみ(税抜額)を源泉徴収の対象とする金額として差し支えありません。この扱いはインボイス制度開始後も変更ありません。
参照:国税庁ホームページタックスアンサー No.6929 消費税等と源泉所得税及び復興特別所得税
(3).支払調書の作成と提出
源泉徴収を行った事業者は、その報酬の支払額や源泉徴収額を記載した書類を作成し、税務署に提出する義務があります(法定調書)。
報酬を受け取った個人事業主やフリーランスは、この源泉徴収された金額を確定申告時に記載することで、所得税として納めるべき税金の前払い分として精算し、払い過ぎていた場合には還付を受けることができます。そのため、報酬を支払った側は、相手方が確定申告に利用できるよう、源泉徴収の事実を記した適切な書類(支払調書など)を発行することが非常に重要になります。



法定調書や支払調書は、支払いが伴わない手続きのためか、結構忘れてしまう方が多い印象です。報酬の相手方に迷惑が掛かりますので、毎年1月に忘れず対応しましょう!
(4).源泉所得税の納付期限と方法
原則
源泉徴収した所得税は、原則として報酬を支払った月の翌月10日までに国に納付しなければなりません。
納期の特例(年2回納付)
給与の支払いを受ける人が常時10人未満である事業者が税務署に届け出を提出することで、「納期の特例」の適用を受けられます。
この特例を適用した場合の納付期限は以下の通りです。
• 1月から6月までの源泉所得税 → 7月10日までに納付
• 7月から12月までの源泉所得税 → 翌年1月20日までに納付
ただし、この特例は、弁護士や税理士等の報酬には適用されますが、原稿料や講演料など(所得税法第204条1項1号)には適用できません。これらは毎月納付が必要です。
参照:国税庁ホームページタックスアンサー No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例
納付は、e-Taxを利用するか、「所得税徴収高計算書(納付書)」を添えて金融機関または所轄の税務署の窓口で行います。



給与等の支払いを受ける者が常時10人未満であるかどうかは、日雇労働者も含めて判定することになります。
参照:給与等の支払を受ける者が常時10人未満であるかどうかの判定
(5).誤って源泉徴収しなかった場合のリスクと対応
源泉徴収は、報酬の支払い側の義務です。もし源泉徴収を忘れてしまったとしても、その税金を相手から「返せ」とは言えません。納税義務者である会社(支払者)が自腹で納付しなければなりません。
さらに、納付期限を過ぎると、二重のペナルティが課されます。
- 不納付加算税
本来納めるべき源泉所得税額の10%が原則として加算されます。ただし、税務署からの指摘前に自主的に納付した場合は5%に軽減されます。 - 延滞税
納付期限の翌日から実際に納付した日までの日数に応じて課される利息です。遅れれば遅れるほど金額が膨らみます。
納付期限から1ヶ月以内に自主的に納付した場合など、一定の要件(過去1年間に期限後納付がない等)を満たせば、不納付加算税が免除される規定もありますが、「忙しかった」「知らなかった」といった個人的な理由は「正当な理由」には該当しません。



罰則税については、こちらの記事をご覧ください。
【町田市の税理士が解説】修正申告でかかる罰則税とは?加算税・延滞税・利子税を徹底解説!
5. よくある誤解と実務上の落とし穴
源泉徴収の実務で特に注意が必要な、よくある誤解を解説します。
(1).「請求書に源泉税が書かれていないから不要」は誤り
「請求書に源泉徴収税額の記載がないから、先方も不要だと判断しているのだろう」と考え、源泉徴収をしないのは大きな間違いです。
源泉徴収は法律で定められた支払い側の義務です。請求書に記載があろうとなかろうと、その取引が源泉徴収の対象であれば、支払者は税金を天引きし、国に納める義務があります。もし源泉徴収を怠った場合、ペナルティを負うのは、請求書を作成した相手ではなく、あなた(支払者)の会社です。



源泉徴収が必要だと考えていた報酬の請求書に源泉徴収税額の記載がない場合には、請求書を発行した側に一度問い合わせてみることをお勧めします。
(2).「海外取引だから源泉不要」は要注意
支払先が海外(非居住者等)だからといって、源泉徴収が不要になるわけではありません。
国内源泉所得(日本国内での活動や資産から生じた所得)に該当する場合、たとえ相手が海外の企業や個人であっても、国内取引とは異なる税率で源泉徴収が必要です。特に、国内の不動産賃借料や、著作権、機械装置の使用料などは、国内源泉所得の対象です。
この判断は複雑であり、さらに租税条約が適用されると税率が軽減・免除される可能性もあるため(要届出)、「海外取引だから一律不要」という判断は絶対に避けてください。
参照:国税庁ホームページタックスアンサー No.2884 非居住者等に対する源泉徴収・源泉徴収の税率
参照:国税庁ホームページタックスアンサー No.2885 非居住者等に対する源泉徴収のしくみ
(3).支払先の属性確認(居住者か非居住者か)
源泉徴収の要否は、支払内容だけでなく、支払先の「属性」によって大きく異なります。
- 個人か法人か
国内法人の報酬は原則不要ですが、個人への報酬は多くの種類が対象です。 - 居住者か非居住者か
非居住者への支払いには、国内取引とは全く異なるルール(国内源泉所得の判定)が適用されます。 - 団体の場合
研究会や劇団などの団体に支払う場合、それが法人税の納税義務があるか、または独立した団体として証明できるかによって、法人として扱うか個人として扱うかが変わります。
支払先が個人なのか、法人なのか、また、国内の居住者なのか、海外の非居住者なのかを、取引開始前に必ず確認することが、源泉徴収義務を果たすための出発点となります。
6. まとめ
源泉徴収制度は、一見複雑に見えますが、その原則を理解すれば恐れる必要はありません。
(1).源泉徴収の有無は「支払内容 × 支払先の属性」で判断
源泉徴収が必要かどうかは、「何を(支払内容)」「誰に(支払先の属性)」支払うかの組み合わせで決まります。
まるで、二つのパズルのピースを合わせるように、報酬の種類と支払先の立場を確認する習慣をつけましょう。
源泉徴収は、単に税金を天引きするだけでなく、納税者(フリーランスなど)の税金を代わりに預かり、国に届けるという重要な「納税代行者」としての会社の信頼に関わる義務です。この義務を正確に果たすことが、あなたの会社の安心経営につながります。
税法は常に改正され、個別の取引内容によっては判断が非常に難しくなります。特に、デザインと施工が一括になっている場合や、謝金の実態判断、非居住者への支払いにおける租税条約の適用など、プロでも調査が必要なケースは多々あります。
もし少しでも判断に迷ったら、自己判断せずに専門家である税理士に相談するのが最も安全で確実な方法です。
源泉徴収の適正な管理は、将来の税務リスクを軽減する「会社の保険」のようなものです。適切な知識と手続きで、クリーンな会社経営を目指しましょう!



税法は常に改正され、個別の取引内容によっては判断が非常に難しくなります。特に、デザインと施工が一括になっている場合や、謝金の実態判断、非居住者への支払いにおける租税条約の適用など、税理士でも判断に迷うケースは多々あります。
もし少しでも判断に迷ったら、自己判断せずに税理士に相談するのが最も安全で確実な方法です。
源泉徴収の適正な管理は、将来の税務リスクを軽減する「会社の保険」のようなものです。適切な知識と手続きで、クリーンな会社経営を目指しましょう。相談できる税理士がいない場合には、お気軽にこちらまでお問い合わせください。










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