ミミレイドンボス、おはようございます!
今朝のテーマはなんでしょうか?



今朝は確定申告を間違えた場合に正しく直す方法について整理していきたいと思います。



一度出した申告であっても、正しく直すこともできるんですね!



はい、正しく直す制度を「更正の請求(こうせいのせいきゅう)」と「修正申告(しゅうせいしんこく)」と言います。この2つの制度の違いについて、わかりやすく解説します。
1. はじめに
確定申告、お疲れ様でした!無事に提出を終えてホッと一息…と思いきや、数日経ってから「あっ、この領収書、経費に入れ忘れてた!」「控除額の計算を間違えたかも…」と気づくことは、実は珍しくありません。
正直、「既に確定申告書を提出してしまっているし手遅れだ…」と感じるかもしれません。しかし、ご安心ください。申告内容の誤りや不足を正すための正式な制度が国には用意されています。それが「更正の請求(こうせいのせいきゅう)」と「修正申告(しゅうせいしんこく)」です。
この二つの手続きは、確定申告後に税額を訂正するという目的は同じですが、その性質と結果は全く異なります。
本記事の目的は、この「更正の請求」と「修正申告」の違いと手続きの流れを、わかりやすく、解説することです。
もし、あなたが「税金を払いすぎていたかも」または「少なく申告していたかも」と不安を感じているなら、この記事を最後まで読んで、余計なペナルティを避け、払いすぎた税金を取り戻すための第一歩を踏み出しましょう!
2. 更正の請求とは
(1).概要:納めすぎた税金を返してもらうための制度
更正の請求とは、確定申告の期限が過ぎた後に、「本来納めるべき税額よりも多く納税していた」、あるいは「還付される税金が少なかった」ことに気づいた場合に、税務署に対して税金の減額や還付を求める手続きです。
簡単に言えば、「申告ミスで損した分を返してください!」とお願いするための制度です。この請求が税務署に認められると、「減額更正」が行われ、納めすぎた税金が還付されます。


(2).対象ケース
更正の請求は、「税法の規定に従っていなかった」か「計算に誤りがあった」場合に請求できます。具体的な例は以下の通りです。
①医療費控除や寄附金控除を申告し忘れた
控除を忘れた結果、所得が過大になり、納める税金が多くなっていた。
②経費の計上漏れがあった
領収書やレシートの整理が間に合わず、本来経費にできるものを計上し忘れた結果、所得が過大になっていた。
③売上を二重に計上するなど、所得金額を過大に申告していた
単純な計算ミスなどで売上を実際より多く申告し、余計な税金を納めていた。
(3).提出期限:法定申告期限から5年以内
更正の請求ができる期間は、原則として、法定申告期限(通常3月15日)から5年以内です。
例えば、2024年分の確定申告(2025年3月提出分)であれば、原則として2030年3月17日頃(※土日祝により変動)まで請求が可能です。期限を過ぎると、払い過ぎていた税金があっても還付を受ける権利を失うため、気がついたら早めに対応しましょう。
なお、確定申告の義務がない人(会社員など)が医療費控除などで税金の還付を求める「還付申告」は、その年の翌年1月1日から5年間提出できます。
(4).必要書類:更正の請求書+証拠資料(領収書など)
提出が必要な主な書類は以下の通りです。
- 所得税及び復興特別所得税の更正の請求書
- 請求の根拠となる書類(証拠資料)
- 本人確認書類(書面提出の場合)
特に重要なのが「請求の根拠となる書類」です。例えば、経費の計上漏れであればその領収書や帳簿の写しが、控除の適用漏れであれば控除証明書などが該当します。税務署はこの請求内容を厳しく審査するため、証拠が不十分だと請求が認められない可能性があります。
(5).更正の請求手順
1. 更正の請求書を作成する
- 国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で作成するのが便利です。画面の案内に従って、当初申告の「どこをどう間違えていたのか」と「正しい所得金額や控除金額」を具体的に記載します。
- 更生の請求書には、マイナンバーの記載が必要です。
2. 証拠更生の資料を添付して提出する
- 作成した更生の請求書と証拠資料(PDFデータ化可能)を、e-Tax、郵送、または税務署の窓口で提出します。
3. 税務署の審査を待つ
- 提出後、税務署が内容を検討・審査し、請求が正当と認められると「減額更正」が行われます。
4. 還付金の受け取り
- 審査完了後、通常1~2ヶ月程度で、指定した口座に還付金が振り込まれます(e-Taxだと比較的早い傾向があります)。
参照:国税庁ホームページ A1-2、H1-1 所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続
(6).ポイント:証拠資料の準備が重要
更正の請求は、納税者が「税務署にお願いする」手続きであり、税額の減額については税務署長にしか権限がありません。そのため、「自分の申告が間違っていた」ことを納税者側が立証する責任があります。請求が否認されないためにも、請求の理由を裏付ける客観的で明確な証拠資料の準備が非常に重要です。
参照:国税庁ホームページタックスアンサー No.2026 確定申告を間違えたとき
3. 修正申告とは
(1).概要:申告内容が不足していて、追加で税金を納めるための制度
修正申告とは、確定申告の期限が過ぎた後に、「本来納めるべき税額よりも少なく申告していた」、あるいは「還付される税金が多かった」ことに気づいた場合に、正しい税額を自主的に申告し直し、不足分の税金を追加で納める手続きです。
こちらは「申告ミスで得しちゃってました!スミマセン!」という手続きであり、納税者が自ら正しい税額を申告した時点で税額が確定します。
(2).対象ケース
納税額が不足する(過少申告)主なケースは以下の通りです。
①経費を過大に計上していた
- 事業に関係のないプライベートな支出を誤って経費に含めていた(家事関連費の按分計算ミスや、経費の二重計上など)。
②控除を誤って適用していた
- 適用要件を満たしていない控除(例:青色申告特別控除の最大額など)を誤って適用していた。
③売上や報酬の計上漏れがあった
- 副業の収入や、特定の取引先からの売上を申告から漏らしていた。
(3).修正申告手順
1. 修正申告書を作成する
- 通常の確定申告書と同じ様式(第一表、第二表など)を使用します。
- 第一表の「申告の種類」欄の「修正」に丸をつけます。
- 修正後の正しい金額を記入するほか、第一表の「修正申告」欄に、修正前の税額と、修正後の差額(増加額)を記載します。
- 第二表の「特例適用条文等」の欄に、修正する事項や理由を具体的に記載します。
2. 税務署に提出する
- e-Tax、郵送、または税務署窓口で提出します。
3. 追加の税金とペナルティを納付する
修正申告書を提出した日が、追加で納める税金の納期限となります。速やかに、追加の本税、および後述する延滞税を納付する必要があります。
(4).提出期限:期限後でも提出可能(早い方が加算税・延滞税を軽減できる)
修正申告に明確な提出期限は定められていません。しかし、間違いに気づいたら、できるだけ早く対処すべきです。
その理由は、修正申告が必要な場合、本来の納期限までに税金を納めていなかったことになるため、延滞税と加算税(ペナルティ)が課されます。延滞税の計算は納期限からカウントされるため、少しでも早く修正申告を行い納税することで、延滞税の負担が軽減され、さらに加算税を免れることができるという大きなメリットがあります。
(5).注意点
修正申告には、以下のペナルティ(附帯税)が発生する可能性があります。
①自主的に提出すれば過少申告加算税がかからない
- 税務署からの税務調査の事前通知(「これから調査に入ります」という連絡)の前に自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税は課されません。
②調査後の提出では加算税や延滞税が発生する可能性あり
- 延滞税
納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が自動的に課されます。納付が遅れるほど税率が高くなります(2ヶ月を超えると税率が上がります)。 - 過少申告加算税
税務調査の事前通知後に修正申告をした場合、新たに納める税額に対して5%~15%の割合で課されます。 - 重加算税
売上隠蔽や二重帳簿など、仮装・隠蔽といった悪質な行為があったと認められると、過少申告加算税に代わって35%~40%の重い重加算税が課されます。



自主的な修正申告は、ペナルティを最小限に抑える最も有効な手段です。間違いに気づいたら、税務署に指摘される前に一刻も早く対応しましょう。



修正申告等でかかる罰則税については、こちらの記事で解説しております。
【町田市の税理士が解説】修正申告でかかる罰則税とは?加算税・延滞税・利子税を徹底解説!
参照:国税庁ホームページタックスアンサー No.2026 確定申告を間違えたとき
4. 両者の違いまとめ(表形式)
二つの手続きの目的と性質をまとめると、以下のようになります。
| 項目 | 更正の請求 | 修正申告 |
| 目的 | 納めすぎた税金を還付してもらう | 不足していた税金を追加で納付する |
| 対象者 | 納付税額が過大な人、還付金が過少な人 | 納付税額が過少な人、還付金が過大な人 |
| 期限 | 原則、法定申告期限から5年以内 | 期限なし(できるだけ早く) |
| 手続きの性質 | 請求(税務署の審査・承認が必要) | 申告(提出で税額が確定) |
| ペナルティ | なし | 延滞税および加算税(過少申告加算税/重加算税)の可能性あり |



確定申告の期限内(通常3月15日まで)に間違いに気づいた場合は、納税額の増減に関わらず、「訂正申告」という手続きで、正しい申告書を再提出するだけで済みます。この場合、ペナルティは一切かかりません。
5. よくあるケーススタディ
実際のケースで、どちらの手続きが必要か確認してみましょう。
| ケース | 申告内容の訂正 | 必要な手続き | 理由 |
| (1) 医療費控除を申告し忘れた | 納税額が減る/還付金が増える | 更正の請求 | 控除の適用漏れにより、税金を多く納めていた状態。 |
| (2) プライベート支出を誤って経費に多く計上した | 納税額が増える/還付金が減る | 修正申告 | 経費を過大計上した結果、税額を少なく申告していた状態。 |
| (3) 還付される額が少なすぎると気づいた | 納税額が減る/還付金が増える | 更正の請求 | 還付される金額が過少であった状態。 |
| (4) 税務署から売上計上漏れを指摘された | 納税額が増える/還付金が減る | 修正申告 | 税務調査で過少申告が発覚し、納税者側が自主的に修正する場合。 |
| (5) 経費の領収書を後から発見した | 納税額が減る/還付金が増える | 更正の請求 | 経費計上漏れにより、税金を多く納めていた状態。 |
6. 実務上の注意点
確定申告後の是正手続きを行う際、特に重要視する実務上のポイントを解説します。
(1).間違いに気づいたら早めに対応することが余計な税負担を避けるポイント
修正申告が必要な場合、間違いに気づいた時点から納税するまでの期間が延滞税の計算対象となります。申告が遅れるほど延滞税の負担が重くなるため、「また今度でいいや」と放置せずに、できるだけ早く申告しましょう。
(2).証拠資料の保管・提出が重要
更正の請求では、請求内容が正しいことを納税者が証明する義務があります。請求書に加えて、請求の根拠となる領収書や契約書などの書類を確実に揃えて提出することが必須です。証拠が不十分だと、請求が否認されたり、税務署の調査を招くきっかけとなるリスクがあるため、慎重な準備が必要です。
(3).税務署からの指摘前に自主的に修正申告する方が有利
最も重要なのは、税務署から指摘される前に自主的に行動することです。
- 税務調査の事前通知前に自主的に修正申告:過少申告加算税は0%(かからない)。
- 税務調査の事前通知後に修正申告:過少申告加算税が5%~10%。
- 税務署の調査後に修正申告:過少申告加算税が10%~15%、悪質な場合は重加算税35%~40%。
自主的な修正申告は、ペナルティを最小限に抑える最強の防御策です。不安があるなら、早急に税理士に相談してください。
(4).当初申告が要件の場合修正申告や更正の請求ができないケースも
税制の中には、「法定申告期限(通常3月15日)までに申告書を提出していること」が特例適用の要件となっているものがあります。例えば、青色申告特別控除の最大額(65万円)や一部の特例などは、期限後の申告(修正申告や還付申告、更正の請求)では適用できないケースがあります。また、税額に異動がない(変わらない)場合は、更正の請求はできません。



青色申告特別控除のうち、最大額の65万円の控除を受けるためには、原則として法定申告期限までに確定申告書を提出していることが要件となります。 還付申告であっても、この65万円控除の適用を受けようとする場合は、法定申告期限までに申告書を提出する必要がありますので、ご注意ください。青色申告特別控除のほかにも、「当初申告要件」や「損金経理要件」が関係し、期限後の申告(修正申告や更正の請求)では適用が制限される特例があります。



更正の請求は、「税法の規定に従っていなかった場合」または「計算に誤りがあった場合」に認められる手続きのため、正当な処理方法から別の正当な処理方法へ変更する場合には認められません。例えば、会計の処理方法が複数あり、前回の申告時にAの方法(正当な処理)を用い、後からBの方法(別の正当な処理)の方が税金が抑えられると分かった場合でも、AとBどちらの方法も正しければ、更正の請求は認められません。
7. まとめ
確定申告は、納税者自らが行う手続きだからこそ、時に間違いが起こり得ます。重要なのは、その後の対応です。
- 更正の請求:税金を返してもらう制度(払いすぎた場合)。
- 修正申告:不足分を納める制度(少なく申告した場合)。
どちらの手続きも、「期限」と「証拠資料」が成功のカギを握ります。特に修正申告が必要な場合は、自主的に早く動くことで、余計なペナルティを回避できます。



もし、「自分の申告が間違っていたらどうしよう」「どちらの手続きが必要かわからない」「ペナルティがいくらかかるか知りたい」と迷ったら、自己判断せずに税理士に相談するのが安心です。相談できる税理士がいない場合には、お気軽にこちらまでお問い合わせください。










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