ミミレイドンボス、おはようございます!
今朝のテーマは昨日に引き続き保険金でしょうか?



今朝は保険金を受け取った時の所得税part2として雑所得となる保険金を整理して行きたいと思います。



今朝は昨日の続きとなります。Part1は一時所得となる保険金について、整理しておりますので、よろしければ、こちらの記事もご覧ください。
【町田市の税理士が解説】保険金を受け取ったときの所得税:Part1:一時所得となる保険金
Part2:雑所得となる保険金
6. そもそも雑所得とは
雑所得(ざつしょとく)とは、事業所得や不動産所得など、いずれの所得にも該当しない所得を指します。
いわば「他のどの箱にも入らない所得をまとめるためのカテゴリー」であり、近年増加している副業収入や投資収益の多くがこの雑所得に分類されます。
雑所得の全体像について、以下の3つのポイントを中心に詳しく解説します。



雑所得については、こちらの記事でも解説しておりますので、宜しければご覧ください。
【町田市の税理士が解説】個人の雑所得の基礎知識について
1. 雑所得の3つの分類
雑所得は、その性質や計算方法によって大きく3種類に分けられます。
- 公的年金等
国民年金、厚生年金、共済年金、企業年金、恩給などが該当します。 - 業務に係るもの
副業による原稿料、講演料、印税、アフィリエイト収益、シェアリングエコノミー(デリバリー配達員など)の報酬などが含まれます。営利を目的とした継続的な活動による副収入がここにあたります。 - その他の雑所得
上記2つ以外のもので、具体的には生命保険契約に基づく個人年金、暗号資産(仮想通貨)の売却益、非営業用貸金の利子(個人間での貸し借りの利息)、還付加算金などが該当します。なお、FX(外国為替証拠金取引)の利益も雑所得ですが、国内業者の場合は「先物取引に係る雑所得等」として他の雑所得とは分けて扱われます。



昨日の内容ですが、満期保険金や解約返戻金を「一時金」として一括で受け取った場合は、雑所得ではなく「一時所得」に分類されます。一時所得には最大50万円の特別控除があるため、計算方法が雑所得とは異なります。なお、一時払養老保険等で保険期間等が5年以下等のものは「源泉分離課税」になり、確定申告できません。



公的年金等に該当する保険(公的年金等)として、 確定給付企業年金法に基づいて支給を受ける年金などは、民間の契約であっても「公的年金等の雑所得」として扱われます。
なお、遺族年金や障害年金は非課税所得であり、確定申告の対象にはなりません。
2. 所得金額の計算方法
雑所得の金額は、以下の算式によって算出されます。
公的年金等
収入金額 - 公的年金等控除額 = 所得金額。
※控除額は受給者の年齢や年金以外の所得金額によって段階的に決まっています。
業務・その他
総収入金額 - 必要経費 = 所得金額。
業務に係るものの必要経費には、文房具代、パソコン代(10万円未満)、光熱費や通信費の事業利用分(家事按分)、交通費、書籍代などが認められます。



「生命保険年金の雑所得」の必要経費は、「その年金額に対応する払込保険料等」となります。後ほどご説明します。
3. 税金に関する重要なルール
雑所得を申告する際には、特有の制限や注意点があります。
- 総合課税と分離課税
原則として他の所得(給与など)と合計して税率が決まる総合課税(累進課税)ですが、国内FXや先物取引などは一律20.315%の申告分離課税となります。 - 損益通算の禁止
雑所得で赤字(損失)が出ても、給与所得など他の所得の黒字と相殺することはできません。ただし、雑所得の内部(例:ビットコインの利益と副業ライターの損失)での相殺は可能です。 - 「20万円ルール」の注意点
会社員の場合、雑所得などの副所得が年間20万円以下であれば所得税の確定申告は不要ですが、住民税にはこのルールがないため、1円でも所得があれば市区町村への申告が必要になります。
7. 雑所得となる保険金の具体例
保険金や給付金が「雑所得」として課税されるのは、原則として「保険料の負担者(契約者)と受取人が同一人」であり、かつそのお金を「年金形式(分割)」で受け取った場合です。
具体的な例を詳しく挙げると、以下の通りとなります。
1. 個人年金保険の年金受取
最も一般的な例は、老後資金準備などを目的とした個人年金保険を、契約時(または受取開始時)に定めた通り、毎年定期的に受け取るケースです。
- 確定年金
10年や15年など、一定期間受け取る年金。 - 終身年金
生涯にわたって受け取る年金。 - 保証期間付終身年金
生死に関わらず一定期間の受取が保証され、その後も生存している限り受け取れる年金。
2. 満期保険金や学資保険の「年金形式」での受取
本来は一括(一時金)で受け取ることが多い養老保険の満期保険金や、学資保険の祝金・満期金を、あえて分割して受け取る設定にしている場合です。
- 学資年金
学資保険において、大学入学後などに「学資年金」として数年間にわたって毎年支払われるもの。 - 年金支払特約
満期保険金を一時金ではなく、特約によって年金として受け取る場合。
3. 死亡保険金の年金受取
被保険者が亡くなった際に支払われる死亡保険金を、遺族が年金形式で受け取る場合です。
- 収入保障保険・収入保障特約
死亡した際、残された遺族に毎月または毎年、一定期間にわたって保険金(年金)が支払われるタイプの商品です。
※契約者(夫)・被保険者(妻)・受取人(夫)のような形態で、夫が受取人となる場合などが該当します。
4. 据置保険金の利息や定期的な支払金
- 満期保険金の据置利息
養老保険などの満期金をすぐに引き出さず、保険会社に「据え置き」にしている場合に、その据置期間中に付く利息(毎年繰り入れられる利息)は雑所得となります。 - 終身保険の定期的な支払金
一時払終身保険などで、一定期間ごとに「定期支払金」として受け取るお金です。
5. 契約者と受取人が異なる場合の「2年目以降」の年金
契約者(保険料負担者)と年金受取人が異なる場合、受取開始の初年度には「年金受給権」に対して贈与税または相続税が課税されますが、2年目以降に受け取る年金については、運用益相当分が所得税(雑所得)の対象となります。
8. 雑所得に該当する保険金の所得の計算方法
雑所得に該当する保険金(主に個人年金保険を年金形式で受給する場合など)の所得金額は、一括で受給する際の一時所得とは異なり、「その年に受け取った年金額」から「その金額に対応する払込保険料(必要経費)」を差し引いて計算します。
一時所得にある「50万円の特別控除」や「金額をさらに1/2にする」という優遇措置は、雑所得には適用されません。具体的な計算方法の詳細は以下の通りです。
1. 基本的な計算式
雑所得の金額は、年間の受取額から経費を引くというシンプルな構造です。
雑所得の金額 = その年中に受け取った年金の額 - 必要経費
- その年中に受け取った年金の額
1年間に支払われた年金の合計額です。定額型の場合、基本年金に配当金による増額分を加えた合計額となります。 - 必要経費
受け取った年金額のうち、自分が支払った保険料(元本)に相当する部分です。
2. 「必要経費」の詳しい計算方法
受け取った年金額のうち、いくらを経費として差し引けるかは、以下の比率を用いて算出します。
必要経費 = その年の年金受取額 × (払込保険料総額 ÷ 年金の総支給見込額)
この「年金の総支給見込額」は、年金の種類(受取期間)によって以下のように計算します。
- 確定年金
年金年額 × 支給期間(例:10年確定年金なら10倍)。 - 終身年金
年金年額 × 余命年数(所得税法で定められた年齢別余命年数を使用)。 - 保証期間付終身年金
年金年額 × (余命年数と保証期間のいずれか長い方の年数)。



基本的には、保険会社から送られてくる書類(年金支払通知書等)にその年の必要経費も記載されておりますので、その数値をそのまま使用することになります。
3. 税金の支払いと精算(源泉徴収)
年金を受け取る際、所得金額(年金額 - 必要経費)が25万円以上である場合には、支払時に10.21%(所得税+復興特別所得税)が源泉徴収されます。 ただし、これはあくまで概算の徴収であるため、確定申告を行うことで他の所得と合算して正しく精算し、納めすぎであれば還付を受けることができます。
参照:国税庁タックスアンサー No.1610 保険契約者(保険料の負担者)である本人が支払を受ける個人年金
4. 特殊なケース:相続や贈与で取得した年金
契約者(保険料負担者)と年金受取人が異なる場合など、受取開始時に「年金受給権」として相続税や贈与税が課税された後の年金受取については、計算方法が異なります。 この場合、二重課税を避けるため、年金支給の初年度は全額非課税とされ、2年目以降から課税部分が段階的に増加していく特殊な計算(単位計算)が行われます。
計算の注意点
- 損益通算の不可
雑所得の計算で損失(赤字)が出たとしても、給与所得などの他の所得から差し引くことはできません。 - 住民税への影響
算出された雑所得は全額が他の所得と合算されるため、翌年の住民税や国民健康保険料などの算定根拠に含まれ、負担が増える可能性があります。
9. 雑所得となる保険金の確定申告に必要な書類(情報)
雑所得として保険金(主に個人年金保険を年金形式で受給する場合など)の確定申告を行う際、「受取額」と「必要経費(それに対応する保険料)」を正確に把握するための書類や、本人確認書類が必要となります。
主な必要書類と情報は以下の通りです。
1. 保険会社から送付される書類(金額の確認に必須)
申告書に記入する「収入金額」と「必要経費」を証明するために、以下の書類を準備します。
- 年金支払通知書(年金の支払内容と税務上の取扱いに関するご案内)
毎年1月頃に保険会社から届く書類です。これには、その年中に受け取った年金の総額、計算上の必要経費、および源泉徴収税額が記載されています。 - 払込証明書・払込明細書
必要経費の根拠となる、これまでに払い込んだ保険料の総額を確認するために必要です。 - 支払調書
年金の支払額が年20万円を超える場合、保険会社から税務署へ送付されます。受取金額や既払込保険料、受取人の情報が記載されており、申告内容の裏付けとなります。年金保険の受取人にも届く可能性があります。
2. 申告書に記入すべき主な項目(情報)
書類を確認しながら、確定申告書(第一表・第二表)に以下の情報を記入します。
- 所得の種類
「雑所得(公的年金等以外)」を選択します。 - 種目
「個人年金」や「生命保険金(年金)」などと記入します。 - 支払者の名称・所在地(または法人番号)
保険金の支払い元である生命保険会社の名称や本社住所です。 - 収入金額
その年1年間に受け取った年金の総額(配当金を含む)です。 - 必要経費
受け取った年金に対応する保険料相当額です。通知書に記載された金額を記入します。 - 源泉徴収税額
年金額から必要経費を引いた額が25万円以上の場合、10.21%(所得税+復興特別所得税)が天引きされているため、その金額を記入します。
3. 本人確認および控除に関する書類
- マイナンバーカード
申告書への番号記載と本人確認のために必須です。カードがない場合は「番号通知カード + 運転免許証などの身元確認書類」が必要です。 - 給与所得の源泉徴収票
会社員などの給与所得がある方が、年金所得を合算して最終的な税額を計算するために必要です。 - 生命保険料控除証明書
その年に別途支払っている保険料がある場合に、所得控除を受けるために必要となります。
10.まとめ
保険金や給付金の税金は、「何の保険金か」だけでなく、①受取方法(一時金か年金か)、②保険料を負担した人(契約者)と受取人の関係によって大きく変わります。
一時金で受け取る満期保険金・解約返戻金などは、原則として「一時所得」となり、(受取額-払込保険料-特別控除50万円)×1/2 が課税対象です。特別控除や1/2課税がある分、税負担が軽くなるケースが多い点が特徴です。
一方、年金形式(分割)で受け取る個人年金や満期金などは、原則として「雑所得(公的年金等以外)」となり、その年の年金受取額から、その年金に対応する払込保険料相当額を差し引いて所得を計算します。一時所得のような50万円控除や1/2課税はなく、毎年の所得として積み上がるため、翌年の住民税や社会保険料等にも影響が出やすい点に注意が必要です。
また、契約者(保険料負担者)と受取人が異なる場合は、受取開始時に贈与税・相続税の論点が入るなど、税目そのものが変わることがあります。保険金の種類と受取形態、名義関係を確認したうえで、通知書類(年金支払通知書等)をもとに正確に申告しましょう。判断に迷う場合は、早めに税理士へ相談するのが安全です。税理士を探している場合には、お気軽にこちらまでお問い合わせください。










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