【町田市の税理士が解説】ふるさと納税のやり方と寄付金控除のしくみ

ミミレイドン

ボス、おはようございます!
今朝のテーマはなんでしょうか?

新屋賢人

今朝は、ふるさと納税の基礎について整理してみようと思います。

ミミレイドン

ふるさと納税!確か今年分は12月末に納付すれば良いんですよね?制度がイマイチよくわかっていないんですよね。

新屋賢人

毎年多くの方が利用する「ふるさと納税」。単なる寄付ではなく、「実質2,000円で豪華な返礼品がもらえる夢のような仕組み」として知られています。
しかし、「仕組みが複雑そう」「確定申告が面倒では?」と感じて、まだ一歩踏み出せない方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ふるさと納税の寄付金控除の仕組みを、わかりやすく解説します。初心者の方でも迷わず、確実に税制優遇のメリットを享受できるよう、最新の制度変更(2025年改正を含む)を踏まえて、手順と注意点をすべてお伝えします!

目次

1. はじめに

(1).ふるさと納税とは?簡単な概要

ふるさと納税とは、自分で選んだ自治体へ寄付をすると、寄付額のうち2,000円を超える部分について、翌年の所得税や住民税から控除(税金が安くなること)を受けられる制度です。

この制度は2008年に始まりました。名前は「ふるさと」納税ですが、自分の生まれ故郷に限定されず、全国どこの自治体にも自由に寄付できます

また、多くの自治体で、寄付のお礼として地域の特産品(返礼品)がもらえるのが大きな魅力となっています。

(2).「寄付なのに実質負担2,000円で返礼品がもらえる」仕組みの魅力

ふるさと納税の最大の魅力は、「実質自己負担2,000円」という点です。

例えば、あなたが控除上限額の範囲内で30,000円を寄付した場合、2,000円を差し引いた28,000円が税金から戻ってくる(または控除される)ため、2,000円の負担で30,000円相当の地域特産品を受け取ることができます

さらに、多くの自治体では、寄付金が「子育て支援」や「災害復興支援」「伝統文化の継承」など、具体的な使い道に活用されるため、地域貢献を実感できる社会的意義も兼ね備えた仕組みです。

2. ふるさと納税の基本的な仕組み

(1).寄付先は全国の自治体から選べる

ふるさと納税では、自分の居住地以外の全国の都道府県や市区町村に対して自由に寄付を行うことができます。特定の自治体を応援したいという気持ちを直接届けることが可能です。

ただし、自分が住んでいる自治体(住民票登録のある自治体)へ寄付をしても、原則として返礼品は受け取れませんので注意しましょう。

なお、2025年のふるさと納税の期限は2025年12月31日までに寄付(決済完了)した金額となります。

(2).寄付金控除によって税金が軽減される仕組み

ふるさと納税は、「寄附金控除」という税法上の優遇措置を利用しています

この制度を利用し、正しく手続きを行うと、寄付金のうち2,000円の自己負担分を除いた残りの金額が、税金から差し引かれます。これは、寄付という形で税金の一部を先に納めるイメージに近いです

(3).控除対象になる税金(所得税・住民税)

ふるさと納税による控除は、主に2種類の税金から行われます。

1. 所得税からの控除(還付)

  • 寄付をした年(1月1日〜12月31日)の所得税から、現金として還付(払い戻し)されます。
  • 確定申告後、通常1ヶ月~1ヶ月半程度で指定口座に振り込まれます。

2. 住民税からの控除(軽減)

  • 寄付をした翌年度の住民税から、税額が減額される形で控除されます。
  • 通常、翌年6月以降の納税額から1年間かけて差し引かれます。
ミミレイドン

個人や法人が寄付した場合の税制上の取り扱いについては、以下の記事で解説しておりますので、よろしければご覧ください。
【町田市の税理士が解説】「所得控除?」「税額控除?」個人が寄附した場合の税務上の取り扱いについて
【町田市の税理士が解説】寄附金の損金不算入制度の基礎知識について

3. ふるさと納税のやり方

(1).ポータルサイトを使った寄付手順(例:楽天ふるさと納税、さとふる)

ふるさと納税は、インターネット上のポータルサイトを通じて行うのが最も一般的で簡単です。

主要なポータルサイトには、楽天ふるさと納税さとふるふるなびふるさとチョイスなどがあり、これらのサイトで返礼品を選び、寄付を申し込みます。

手続きの基本的な流れは以下の通りです。

  1. 控除上限額を確認
    後述のシミュレーターで、自分がいくらまで寄付できるかを確認します。
  2. 自治体と返礼品を選択
    ポータルサイトで好みの返礼品を探し、寄付を申し込みます。
  3. 寄付金を決済
    クレジットカードなどで支払い手続きを完了させます。
  4. 証明書を受け取り
    自治体から「寄附金受領証明書」「申請書類」が届くので保管します。
  5. 控除手続き
    ワンストップ特例制度または確定申告を行います。

(2).寄付金額の目安(控除上限額の計算方法)

控除上限額とは、自己負担額2,000円を超えた部分が全額控除される上限の金額ですこの上限額を超えて寄付すると、超過分は純粋な自己負担になってしまいます

上限額は、主に以下の要素で決まります。

  • 個人の年収(給与収入)
    年収が高いほど、上限額は高くなります。
  • 家族構成(扶養家族の有無)
    扶養家族が多いほど、上限額は低くなります(特に16歳以上22歳以下の扶養親族がいる場合)。
  • 他に受けている控除
    医療費控除、iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)、住宅ローン控除など、所得控除が増えると上限額は減少します。

正確な上限額を知るためには、ポータルサイトのシミュレーションツールを利用するのが最も確実です。

新屋賢人

限度額をご自身で計算することもできますが、計算は難しく誤った限度額を計算してしまうと大変ですので、まずは必ず各ポータルサイトのシミュレーションツールで限度額を計算してみてください。限度額を超える寄付はお勧めしません。

(3).支払い方法(クレジットカード、銀行振込など)

主な決済方法は、クレジットカード決済銀行振込コンビニ決済コード決済(○○Payなど)があります。

特にクレジットカード決済は、即日決済が完了し、カード会社から付与される通常のポイント還元も引き続き受けられるため、最もお得で確実な方法として推奨されます。

【2025年制度改正の重要ポイント】 2025年10月1日より、仲介サイトが独自に付与していた「楽天ポイントが高還元率になるキャンペーン」「Amazonギフト券の付与」といったポイント還元は全面禁止となりました。ただし、クレジットカード会社や決済サービス自体が提供する通常のポイント(1%程度)は、引き続き対象外として付与されます。

4. 寄付金控除のしくみを詳しく解説

(1).控除の対象と計算方法(確定申告)

ふるさと納税による控除は、所得税(還付)と住民税(控除)の3つのパートに分かれて計算されます。

控除の種類反映される税金計算式(寄付額をF、所得税率をTとする)
1. 所得税からの控除所得税(還付)(F − 2,000円)× 所得税率(T)× 1.021 (※1)
2. 住民税からの控除(基本分)住民税(控除)(F − 2,000円)× 10%
3. 住民税からの控除(特例分)住民税(控除)(F − 2,000円)×(90% − T × 1.021) (※2)

※1 所得税率には復興特別所得税率(2.1%)が加算されます。
※2 住民税特例分は、住民税所得割額の20%が上限となります。

参照:国税庁ホームページタックスアンサー No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)

参照:国税庁ホームページタックスアンサー No.2260 所得税の税率

(2).「実質負担2,000円」の理由

上記の3つの計算パート(所得税還付+住民税基本分+住民税特例分)の合計額が、寄付額から2,000円を引いた金額(F − 2,000円)にほぼ等しくなるためです。

例えば、所得税率が10%の方が30,000円寄付した場合、

• 所得税還付(約2,859円)+住民税基本分(2,800円)+住民税特例分(約22,341円)=合計28,000円

となり、実質的な自己負担は2,000円(30,000円 − 28,000円)で済むというわけです。この仕組みは、例えるなら、地域貢献という名の「税金の前払い」手数料で各地の特産品がもらえるイメージです

(3).控除上限額のシミュレーション方法

正確な控除上限額を知るには、ふるさと納税ポータルサイトのシミュレーション機能(詳細版)を活用しましょう。

シミュレーションで用意すべき主な情報は以下の通りです。

1. 年収/給与収入:源泉徴収票の「支払金額」欄の金額(税金や控除が引かれる前の金額)。
2. 配偶者の有無と年収:控除の有無(共働きか否か)に影響します。
3. 扶養親族の人数:16歳〜22歳の扶養親族の人数が重要です。
4. 各種控除額:社会保険料控除、生命保険料控除、医療費控除iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)、住宅ローン控除などの金額。

特に、医療費控除やiDeCoなど、所得控除が増えると課税所得が減るため、ふるさと納税の上限額は減少する傾向があります。これらの控除を併用する場合は、必ず詳細シミュレーションを行いましょう。

5. 確定申告で控除を受ける方法

(1).確定申告が必要な人(会社員でも医療費控除などある場合)

通常、会社員や公務員は年末調整で税金の手続きが完了するため、確定申告は不要です。しかし、ふるさと納税を利用する場合や、他の事情がある場合は確定申告が必要になります

以下の条件に一つでも当てはまる場合は、ふるさと納税のワンストップ特例制度は利用できず、確定申告が必須です

  • 寄付先が6自治体以上である。
  • 医療費控除や住宅ローン控除(初年度)を受ける。
  • もともと確定申告の義務がある(個人事業主、年収2,000万円超の給与所得者、副業収入が20万円超の給与所得者など)。
  • ワンストップ特例の申請を期限までに提出できなかった
新屋賢人

上記の要件にすべて当てはまらない場合には、ワンストップ特例制度、つまり、確定申告しなくても寄付金控除の適用が受けられますので、次の6番ワンストップ特例制度に関する記載をご覧ください。

(2).必要書類(寄付証明書、源泉徴収票)

確定申告でふるさと納税の控除を受けるために必要な主な書類は以下の通りです。

  1. 寄附金受領証明書
    寄付先の自治体から寄付ごとに送付される書類。
  2. 源泉徴収票
    勤務先から発行される。提出は不要だが、内容を申告書に入力するために必要。
  3. 本人確認書類
    マイナンバーカードなど。
  4. 還付金受取用口座情報
    本人名義の口座。
新屋賢人

寄付先の自治体が多い場合、ポータルサイト(楽天、ふるなび等)で発行される「寄附金控除に関する証明書」(XMLデータ)を利用すれば、多数の寄附金受領証明書を1枚のデータにまとめることができ、確定申告の手続きを大幅に簡略化できます。

(3).e-Taxを使ったオンライン申告の流れ

確定申告は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用することで、スマホやPCからe-Tax(電子申告)で完了させることができます

特に、マイナンバーカードと連携させる「マイナポータル連携」を活用すれば、給与情報や控除証明書などのデータが自動入力されるため、入力ミスを防ぎ、手続き時間を短縮できます。

e-Taxで申告を完了させると、書面提出よりも還付金が早く振り込まれるメリットもあります(通常3週間程度)。

6. ワンストップ特例制度で年末調整だけで終わらせる方法

(1).ワンストップ特例制度とは?

ワンストップ特例制度は、確定申告をせずにふるさと納税の控除を受けることができる特例措置です

この制度を利用すると、所得税からの還付は行われませんが、その分も含めた全額が翌年度の住民税から控除(減額)される形で税制優遇が適用されます。具体的には、寄付した金額から2,000円を控除した金額が、住民税からまとめて控除されます。

(2).申請条件(寄付先が5自治体以内、確定申告不要な人)

ワンストップ特例制度を利用するには、以下の2つの条件を両方満たす必要があります

  1. 確定申告の義務がない給与所得者であること
    例: 年収2,000万円以下で、副業等の給与以外の所得が20万円以下の会社員など
  2. 年間の寄付先が5自治体以内であること
    ※同じ自治体に複数回寄付しても、「1自治体」としてカウントされます
ミミレイドン

確定申告が必要な人、不要な人のボーダーラインについては、こちらの記事で解説しております。
【町田市の税理士が解説】所得の種類別、確定申告が必要なボーダーライン(確定申告が必要な人・不要な人)

(3).申請書の提出方法と期限(翌年1月10日まで)

ワンストップ特例制度を利用する場合、寄付を行った自治体ごとに「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を提出する必要があります

  • 提出方法
    申請書に必要事項を記入し、マイナンバーカードのコピーなどの本人確認書類を添えて、寄付先の自治体へ郵送します。最近では、マイナンバーカードを利用したオンライン申請に対応している自治体もあります。
  • 申請期限
    寄付した翌年の1月10日(必着)です。

年末(12月)に寄付を行った場合、申請期限まで時間が短いため、自治体からの申請書送付を待たずに、ポータルサイトなどから自分で申請書をダウンロードしてすぐに郵送するのが、期限に間に合わせるための最短ルートです。

7. 注意点とよくある質問

(1).控除上限額を超えた場合どうなる?

控除上限額を超えて寄付を行った場合、超過した金額は税金の控除対象外となり、純粋な自己負担(持ち出し)となります。

例えば、上限額が5万円なのに7万円寄付した場合、2万円+自己負担額2,000円=22,000円が実質的な自己負担となり、ふるさと納税のメリットを十分に享受できません。一度寄付したものは取り消せないため、事前の正確なシミュレーションと、余裕を持った寄付計画を立てることが非常に重要です。

(2).ワンストップ特例と確定申告の併用はできる?

できません

ワンストップ特例制度を申請した後で、医療費控除などの理由により確定申告を行った場合、ワンストップ特例の申請は自動的に全て無効になります

したがって、確定申告をする場合は、ワンストップ特例で申請した分も含め、その年の全てのふるさと納税の寄付金について、確定申告書に記載して申告する必要があります

(3).返礼品の受け取り時期や税務上の扱い

返礼品の受け取り時期

返礼品は、寄付後数週間で届くものもあれば、季節の特産品や予約品の場合は発送時期が限定されることがあります。特に年末に寄付が集中すると、返礼品の発送が年明けにずれ込むケースも多いため、自治体の発送目安を事前に確認しましょう。

返礼品の税務上の扱い

ふるさと納税の返礼品は、一時所得として扱われます。

しかし、一時所得には年間50万円の特別控除が適用されるため、ふるさと納税の返礼品と他の全ての一時所得の合計が50万円以下であれば、課税対象にはなりません。ほとんどの利用者にとって、返礼品が課税される心配はありません。

一時所得の計算式: (総収入金額 - 収入を得るために支出した金額 - 特別控除額(最高50万円)) = 一時所得の金額

8. まとめ

(1).ふるさと納税は賢く使えばお得

ふるさと納税は、実質自己負担2,000円で、地域の魅力的な返礼品を受け取りながら、所得税の還付住民税の控除という形で税負担を軽減できる、非常に有意義な制度です。

2025年にはポイント付与の禁止といった制度変更がありましたが、実質2,000円で控除が受けられる基本的なメリットは変わっていません。今後は「お得さ」だけでなく、返礼品の品質や地域の魅力、寄付金の使途といった、制度本来の価値に注目して活用することが、より重要になります。

(2).年末までにやるべきことチェックリスト

年の瀬は駆け込み寄付でミスが発生しやすい時期です。以下のチェックリストで、確実な控除を目指しましょう。

✅ 項目確認内容と期限
控除上限額の再確認医療費控除やiDeCoなど、他の控除額を含めて詳細シミュレーションを行う。特に収入が変動した年は注意。
寄付の最終期限12月31日まで決済を完了させる。銀行振込の場合は入金日基準なので早めに。
ワンストップ申請寄付先が5自治体以内か確認。申請書をダウンロードし、翌年1月10日(必着)までに各自治体へ郵送する。
確定申告の要否確認医療費控除、住宅ローン控除(初年度)、6自治体以上への寄付など、確定申告が必要な条件に該当していないか最終チェック。
書類の準備・保管寄付金受領証明書(またはXMLデータ)を紛失しないよう一元管理する。
新屋賢人

ふるさと納税の確定申告でお困りの場合には、お気軽にこちらまでお問い合わせください。

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この記事を書いた人

町田市にあるコムレイド税理士事務所の代表税理士の新屋賢人です。大学卒業後、中堅税理士法人で5年間、業界最大手である国際四大会計事務所(BIG4)のEY税理士法人で8年間、計13年間の実務経験があります。
30代ですが、すでに法人・個人問わず幅広い業務を経験しております。BIG4という業界最大手で得た経験・知識を生まれ育った街に還元したいという強い思いから独立を決めました。

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