【町田市の税理士が解説】法人事業税の外形標準課税とは?⑩付加価値割の純支払賃借料(後編)

ミミレイドン

ボス、おはようございます!
今朝のテーマは何でしょうか?

新屋賢人

今朝も昨日の続きとして、純支払賃借料について、整理して行きたいと思います。

ミミレイドン

今日で純支払賃借料は終わりですね!

新屋賢人

「毎月の家賃は当然対象だけど、更新料はどうなる?」 「共益費が込みの場合は? 社宅の扱いは?」
外形標準課税(付加価値割)の計算において、「純支払賃借料」は最も判断に迷いやすい項目の一つです。特に注意が必要なのは、「法人税で損金になる賃借料」と「外形標準課税の対象となる支払賃借料」は範囲が異なるという点です。
この区分を誤ると、税額計算に直結するため、過大納付や税務調査での指摘リスクにつながりかねません。
今朝は、実務で迷いやすい「共益費」「倉庫保管料」「変動家賃」「社宅」などの具体的ケースを、整理していきたいと思います。決算実務の直前チェックとして、ぜひご活用ください。

付加価値割の純支払賃借料(後編)

目次

1.付加価値割とは?(おさらい)

法人事業税の付加価値割(ふかかちわり)は、資本金1億円超の法人などを対象とした「外形標準課税」の一部で、法人が事業活動によって生み出した「付加価値の大きさ」に対して課される税金です。

企業の利益(所得)ではなく、給与の支払いや賃借料の支払いといった事業規模(活動量)を基準にするため、赤字であっても納税義務が生じるのが最大の特徴です。

(1). 課税の仕組みと計算方法

付加価値割の課税標準(税額計算の基礎となる金額)は、「付加価値額」と呼ばれます。これは、以下の2つの要素の合計額です。

付加価値額=収益配分額+単年度損益

① 収益配分額

事業活動から生じた利益を、労働や資本の提供者にどう分配したかを示す指標で、以下の3つの合計です。

  • 報酬給与額: 役員や従業員への給与、賞与、退職金などの総額。
  • 純支払利子: 支払利子から受取利子を差し引いた金額(マイナスの場合は0)。
  • 純支払賃借料: 土地・家屋の支払賃借料から受取賃借料を差し引いた金額(マイナスの場合は0)。
新屋賢人

今朝もこの純支払賃借料について、次章以降で詳しく整理していく予定です。

② 単年度損益

その事業年度の所得(税務上の利益)です。ただし、繰越欠損金を控除する前の金額を使います
もし赤字(欠損)の場合は、収益配分額からその赤字分を差し引いて付加価値額を計算します(全体がマイナスになれば課税標準は0円)。

(2). 税率

  • 標準税率:1.2%
  • ただし、各都道府県の条例により、これより高い税率(超過税率)が適用される場合があります(例:東京都などでは1.26%など)。

(3). 対象となる法人

原則として、資本金の額(または出資金の額)が1億円を超える普通法人が対象です。
※2025年度以降の税制改正により、過去に外形標準課税の対象だった法人が減資して資本金1億円以下になっても、「資本金+資本剰余金」が10億円を超える場合などは対象として残る仕組みが導入されています。

ミミレイドン

令和6年度税制改正による外形標準課税の対象法人の変更については、こちらの記事で解説しておりますので、宜しければご覧ください。
【町田市の税理士が解説】2024年度(令和6年度)税制改正でどう変わった?外形標準課税の対象法人について

(4). 重要な特徴と特例

  • 赤字でも課税される
    給与や家賃を支払っている限り「収益配分額」が発生するため、たとえ会社の利益が赤字であっても、付加価値割の納税が必要になるケースが一般的です。
  • 雇用安定控除(負担軽減措置)
    多くの雇用を維持している企業に配慮し、「報酬給与額」が「収益配分額」の70%を超える場合は、その超える部分を課税標準から控除できる特例があります。
  • 会計上の扱い(損金算入)
    法人事業税の「所得割」は「法人税、住民税及び事業税」として処理されますが、この「付加価値割」(および資本割)は、事業を行うためのコストとみなされ、「販売費及び一般管理費(租税公課)」として計上されます(損金算入可能です)。
新屋賢人

雇用安定控除額=報酬給与額−収益配分額×70%(マイナスは0)として算定し、付加価値額の算定上控除します。

ミミレイドン

付加価値割の概要については過去のブログ記事で解説しておりますので宜しければご覧ください。
【町田市の税理士が解説】法人事業税の外形標準課税とは?③付加価値割の概要編

2.純支払賃借料とは?(おさらい)

外形標準課税(付加価値割)における「純支払賃借料」の概要について解説します。

純支払賃借料は、法人の事業活動規模を測る指標(付加価値額)を構成する要素の一つであり、法人が生み出した付加価値のうち「土地等への配分額」を表すものです。

(1). 純支払賃借料の計算方法

各事業年度の純支払賃借料は、以下の計算式で算出します。

純支払賃借料 = 支払賃借料(損金算入額) - 受取賃借料(益金算入額)

  • マイナスになる場合
    受取賃借料の合計額が支払賃借料の合計額を上回る(計算結果がマイナスになる)場合純支払賃借料は「ゼロ」とします。
  • 法人税との関係
    原則として、当該事業年度の法人税の所得計算上「損金」に算入される支払賃借料と、「益金」に算入される受取賃借料が対象となります。
    ※ただし、棚卸資産や固定資産などに計上された賃借料は、法人税での損金算入を待たず、実際に支出した事業年度に算入します。

(2). 対象となる物件(客体)

対象となるのは、原則として「土地」または「家屋(住宅、店舗、工場、倉庫など)」です。

(3). 対象となる権利

土地または家屋の「使用または収益を目的とする権利」の対価が対象となります。具体的には以下の権利です。

  • 賃借権
  • 地上権
  • 永小作権
  • 行政財産を使用する権利(道路占用料など)

(4). 存続期間の要件(重要)

対象となる賃借権等は、その使用または収益できる期間が「連続して1か月以上」であるものに限られます。

新屋賢人

1か月未満の短期契約や、時間貸しの駐車場、一時的な会議室の利用などは対象外です。
契約上は1か月未満でも、実質的に連続して1か月以上使用していると認められる場合は対象となります。

(5). 算定上の主な留意点

(1) 消費税等の取扱い

支払賃借料および受取賃借料の計算にあたっては、消費税および地方消費税を含まない金額(税抜金額)を基礎とします。

ミミレイドン

その法人が「税抜経理」を採用しているか「税込経理」を採用しているかに関わらず、常に税抜金額で計算することになります。

新屋賢人

収益配分額(報酬給与額・純支払利子・純支払賃借料)の算定は、原則として消費税及び地方消費税を除いた金額を基礎とします。
ただし、インボイス制度の下で仕入税額控除の適用を受けられない取引について、税抜経理で対価と区分した「消費税等相当額」を計上している場合などは、取扱通知により収益配分額へ含める取扱いとなり得ます(経過措置の適用関係を含め個別判断が必要です)。

(2) 共益費や役務提供の対価

  • 区分されている場合
    水道光熱費、管理費、清掃費などの共益費や、倉庫の荷役料など(役務の提供の対価)が、契約等で賃借料と明確かつ合理的に区分されている場合は、純支払賃借料に含めません
  • 区分されていない場合
    区分されていない場合は、役務提供の対価等も含めた全額が純支払賃借料となります。

(3) 権利金や保証金等

  • 権利金・更新料
    賃借権の「設定」や「追加」の対価であり、使用の対価ではないため、原則として対象外です(ただし、前払家賃相当分が含まれる場合はその部分は対象)。
  • 保証金・敷金
    担保的性格の預り金であるため対象外です。ただし、退去時に未払家賃に充当されて返還されない額などは対象となります。

(4) 変動家賃(歩合家賃)

売上高等に応じて金額が変動する賃借料であっても、土地・家屋の賃借権等

3.権利金その他の一時金の取扱い

外形標準課税の「純支払賃借料」における「権利金その他の一時金」の取扱いについて詳しく解説します。

新屋賢人

結論から申し上げますと、土地や家屋の賃借権等を設定する際に支払う権利金や更新料などの一時金は、原則として純支払賃借料(支払賃借料および受取賃借料)には含まれません。ただし、その実態に応じて例外的な取扱いもあります。

1. 原則(対象外となるもの)

土地又は家屋の賃借権等の設定に係る以下のようないわゆる「一時金」は、支払賃借料および受取賃借料として取り扱いません。

  • 権利金
    土地や家屋の「使用又は収益の対価(家賃など)」とは別個の、賃借権等の「設定の対価」という性格を持つものであるため、純支払賃借料には含まれません。
  • 更新料
    権利金の追加としての性質を有するため、権利金と同様に対象外となります。
  • 名義書換料
    借地権を他人に譲渡した場合などに土地所有者に支払う費用ですが、これも使用や収益の対価とは言えないため対象外です。

2. 例外(対象となるもの:前払家賃相当分)

支払った一時金の名目が「権利金」や「更新料」などであっても、契約等においてその中に「賃借料の前払相当分」が含まれていると認められる場合には、当該前払相当分については実質的な家賃等とみなされ、支払賃借料及び受取賃借料の対象となります

3. (参考)保証金や敷金の取扱い

一時金として支払われることの多い「保証金」や「敷金」についても、以下のような明確な取扱いが定められています。

  • 原則(対象外)
    保証金や敷金は、将来の賃借人の債務を保全するための担保的性格を有する「預り金」であり、土地や家屋の使用・収益の対価とは性格が異なるため、支払賃借料及び受取賃借料には含まれません
  • 例外(返還されなかった額は対象)
    賃貸借契約の終了時等において、家賃の滞納など賃借料の支払債務の不履行があり、保証金等から控除されて返還されなかった額(実質的に家賃に充当された額)については、土地又は家屋の使用又は収益の対価と言えるため、その時点で支払賃借料及び受取賃借料に含まれます

4.役務の提供の対価の取扱い

外形標準課税(付加価値割)の純支払賃借料における「役務の提供の対価」の取扱いについて詳しく解説します。

新屋賢人

結論から申し上げますと、土地や家屋の賃貸借契約等において、賃借料(土地・家屋の使用対価)と「役務の提供の対価」とが契約等において明確かつ合理的に区分されているかどうかによって取扱いが異なります

1. 明確かつ合理的に「区分されていない」場合(原則として全額算入)

契約等において、土地又は家屋の賃借権等の対価の額と、それに付随する「役務の提供の対価」の額とが明確かつ合理的に区分されていない場合には、当該役務の提供の対価に相当する額も含めた全額が、「支払賃借料」および「受取賃借料」となります

  • 具体例
    オフィスやマンションの賃借料に含まれる「共益費」や「管理費」、あるいは倉庫の保管料に含まれる「荷物の出し入れサービスの対価」などが挙げられます。
  • 理由
    このような場合、役務の提供は土地・家屋の賃借権等に付随した一体的なものと考えられ、実務上もその金額を分離・除外して計算することが煩雑であるためです。

2. 明確かつ合理的に「区分されている」場合(除外される)

一方、契約等において両者が明確かつ合理的に区分されている場合には、土地又は家屋の賃借権等の対価の額(本来の家賃や地代等)のみが支払賃借料および受取賃借料となり、役務の提供の対価部分は含まれません

新屋賢人

「明確かつ合理的な区分」の基準としては、単に内部で分けているだけではなく、契約書等において、契約当事者双方はもちろん第三者が見てもわかるように役務の提供の対価の額が明示されており、かつ、その額が支払われる料金全体に占める割合からみて合理的な金額であることが必要です。

3. 特殊なケースにおける留意点(情報提供サービス等)

役務の提供が主たる目的であるような契約については、以下のような判断基準が示されています。

  • 対象外となる例
    パソコン端末等が設置されたブースにおいて、データベース検索システムを利用するという契約の場合、ブースという一定のスペースを使用するものではありますが、基本的には「情報提供サービスの利用」という役務の提供を受けることが目的であるため、その利用料は純支払賃借料には含まれません
  • 対象となる例
    ただし、上記のようなケースであっても、データベース付のブース「そのものを借り上げる」ような契約をしている場合には、土地・家屋の利用を伴うため、当該ブースの借上料は支払賃借料および受取賃借料の対象となります。
新屋賢人

このように、実態として土地・家屋の使用対価と役務の提供の対価がどのように契約・請求されているかによって、純支払賃借料に含めるかどうかの判断が行われます。

ミミレイドン

契約書上は区分がなくても、請求書等により客観的に区分が把握でき、かつ合理的といえる場合には、共益費等を賃借料に含めない取扱いが示されています。

5.賃借料が売上高等に応じたものである場合の取扱い

外形標準課税(付加価値割)の純支払賃借料において、「賃借料が売上高等に応じたものである場合(いわゆる変動家賃や歩合家賃)」の取扱いについて詳しく解説します。

新屋賢人

結論から申し上げますと、賃借料の算定基準が売上高等に応じたものであっても、それが土地又は家屋の賃借権等の対価であると認められる限り、原則として純支払賃借料(支払賃借料および受取賃借料)の対象となります

1. 対象となる具体的な契約形態の例

ショッピングセンターやデパートなどに入店しているテナント契約において、定額の家賃ではなく、以下のような契約形態がとられることがよくあります。

  • 完全な変動家賃(歩合家賃)
    「毎月の売上高の5%を賃借料とする」といった契約。
  • 固定家賃 + 変動家賃
    「固定で月額20万円 + 毎月の売上高の3%」といった契約。
新屋賢人

このような場合、売上高に応じて毎月支払う金額が変動したとしても、その「変動家賃の額」あるいは「固定家賃+変動家賃の合計額」の全額が、支払賃借料および受取賃借料となります

2. なぜ対象となるのか(取扱いの理由)

純支払賃借料は、法人が事業活動においてどれだけ土地や家屋(生産要素)を利用したかを測るために設けられています。

賃借料の計算方法が「売上高に連動する」という形式をとっていたとしても、それが契約上、「土地や家屋を使用・収益することに対する対価」として支払われている実態に変わりはないため、通常の固定家賃と同様に純支払賃借料を構成するものとして取り扱われます。

3. 【重要な留意点】消化仕入契約の場合

売上高に関連する契約形態として、百貨店やショッピングセンターなどでよく見られる「消化仕入契約」には注意が必要です。

  • 消化仕入契約とは
    実際に販売された商品のみを店舗側(百貨店等)がメーカー等から仕入れたこととし、売上の一定割合を控除した残額がメーカー等に支払われる契約です。
  • 純支払賃借料における取扱い
    この売上から控除される一定割合の中には、観念的には「売場スペースの賃借料相当額」が含まれていると考えられます。しかし、この経理処理において、賃借料相当額が法人税の所得計算上、メーカー側の「損金の額」や百貨店側の「益金の額」として明確に計上(算入)されていない場合には、支払賃借料および受取賃借料には含まれません(対象外となります)
新屋賢人

このように、「売上歩合による家賃の支払い」は純支払賃借料の対象となりますが、「消化仕入契約による売上からの控除」として法人税法上の賃借料として処理されていない場合は対象外となる点に留意が必要です。

6.違約金等の取扱い

外形標準課税(付加価値割)の「純支払賃借料」における「違約金等」の取り扱いについて詳しく解説します。

新屋賢人

結論から申し上げますと、賃貸借契約に関連して支払う違約金等は、実質的に「土地又は家屋の使用又は収益の対価(家賃)」としての性質を有するかどうかによって、純支払賃借料(支払賃借料および受取賃借料)に含まれるかどうかが決まります。

1. 純支払賃借料に「含まれる」違約金等

土地や家屋の明渡しの遅滞により賃借人が賃貸人に支払う違約金等であっても、賃借期間(明渡しを遅延している期間)に応じて計算され徴収されるようなものは、対象となります

  • 具体例
    契約書等において「遅延期間1か月当たり、通常の賃借料の2倍の額を違約金として支払う」といった計算方法で支払うもの。
  • 理由
    このような計算方法に基づく違約金は、名目上は違約金であっても、実態としては遅延期間中の「土地又は家屋の使用・収益の対価」としての性質を持つと考えられるためです。

2. 純支払賃借料に「含まれない」違約金等

対価性が認められない以下のような違約金等は、純支払賃借料の対象外となります。

  • 単なる罰金や損害賠償
    単に罰金的、あるいは損害賠償金的な性格で支払われるものは対象となりません。
  • 途中解約(退去)に伴う違約金
    賃貸借契約の期間満了前に賃借人が途中退去(中途解約)することに伴って支払う違約金等についても、土地や家屋の使用・収益に対する対価ではないため、支払賃借料および受取賃借料には含まれません。
新屋賢人

違約金という名目であっても、「居座って使用し続けた期間に対するペナルティ(割増家賃)」であれば含まれ、「単なる罰金や、早く退去したことに対するペナルティ」であれば含まれない、という整理になります。

7.社宅等の取扱い

外形標準課税(付加価値割)の純支払賃借料における「社宅等の取扱い」について詳しく解説します。

新屋賢人

社宅の取り扱いは、その社宅が「借り上げ物件」であるか「自社所有物件」であるかなどによって計算が異なります。

1. 借り上げ社宅の場合(第三者から借りている場合)

法人が不動産会社などの第三者からアパートやマンションを借り上げ、それを自社の役員や従業員に社宅として貸与している場合は、以下のように取り扱います。

  • 支払賃借料
    法人が貸主(第三者)に対して支払う賃借料は、全額が「支払賃借料」となります。
  • 受取賃借料
    法人が役員や従業員から給与天引き等で受け取る家賃(社宅負担金)は、「受取賃借料」となります。
  • 勘定科目の取り扱い
    会計上、支払った賃借料を「福利厚生費」や「労務費」といった勘定科目で経理している場合であっても、実態として賃借料であるため「支払賃借料」に含まれます。
新屋賢人

【報酬給与額との調整(重要)】
所得税においては、法人が支払う家賃と従業員から徴収する家賃の差額(法人の負担分)が「現物給与」として給与課税される場合があります。しかし事業税においては、この社宅取引はすでに「支払賃借料」と「受取賃借料」として純支払賃借料の計算に組み込まれているため、二重計上を防ぐ目的で、この差額を「報酬給与額」には含めないこととされています。

2. 自社所有の社宅の場合

法人が自ら所有している土地や建物を、役員や従業員に社宅として貸与している場合は、以下のようになります。

  • 支払賃借料
    自社所有であるため、他者へ支払う賃借料はなく、発生しません
  • 受取賃借料
    役員や従業員から受け取る家賃(社宅負担金)は、「受取賃借料」となります。
  • 報酬給与額の扱い
    借り上げ社宅とは異なり支払賃借料との調整が不要であるため、法人税で損金算入され、かつ、所得税で給与所得として課税される経済的利益(家賃相当額の差額など)が生じた場合は、その額を「報酬給与額」に含めます。

3. 役員や従業員が所有する物件を借り上げる場合

法人が、役員や従業員自身が所有している土地や家屋を法人として借り上げ、それを改めてその役員等に社宅として貸与するケースもあります。 この場合も第三者から借り上げる場合と同様に、法人が役員等に支払う賃借料が「支払賃借料」となり、役員等から受け取る賃借料が「受取賃借料」となります。

4. (参考)出向者の社宅費用の負担

出向元法人が自社の従業員のために賃借している社宅について、従業員の出向に伴い、その社宅費用を出向先法人が負担(出向元へ支払う)することがあります。 この場合、実質的に「出向元から出向先への転貸借」があったものと認められるため、以下のように取り扱います。

  • 出向先法人
    出向元へ支払う負担金相当額を「支払賃借料」に含める。
  • 出向元法人
    出向先から受け取る負担金相当額を「受取賃借料」に含める。

8.まとめ

純支払賃借料は、支払賃借料から受取賃借料を控除して算定しますが、控除は支払賃借料を限度とするため、結果がマイナスとなる場合は0になります。
対象は土地・家屋(これらと一体となって効用を果たす構築物・附属設備を含む)の使用・収益の対価で、存続期間が1か月以上の権利に係るものです。
共益費やサービス料は「明確かつ合理的に区分」できるかが分岐点で、契約書に区分がなくても請求書等で客観的に区分できる場合は除外できる取扱いがあります。
権利金・更新料・敷金保証金、契約期間満了前の中途解約違約金などは原則として賃借料の対価ではないため対象外ですが、名目ではなく実態(前払家賃相当や明渡し遅滞による賃借料性など)で判断が必要です。
また、相殺処理や特殊契約(消化仕入等)では「実際に計上したか」ではなく「算入すべき金額か」が問われるため、契約実態と請求明細をもとに整理しておくことが、誤集計防止の近道です。

新屋賢人

私は、合格者が年間40名程度となる税理士試験「事業税」科目に合格しており、事業税・外形標準課税をに関する数多くのご相談や計算をお受けしてきました。
「この処理で本当に合っているのか不安」「外形標準課税の対象になるのか判断できない」「報酬給与額等の集計方法がわからない」
このようなお悩みがございましたら、お気軽にこちらまでお問い合わせください。

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この記事を書いた人

町田市にあるコムレイド税理士事務所の代表税理士の新屋賢人です。大学卒業後、中堅税理士法人で5年間、業界最大手である国際四大会計事務所(BIG4)のEY税理士法人で8年間、計13年間の実務経験があります。
30代ですが、すでに法人・個人問わず幅広い業務を経験しております。BIG4という業界最大手で得た経験・知識を生まれ育った街に還元したいという強い思いから独立を決めました。

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