ミミレイドンボス、おはようございます!
今朝のテーマは何でしょうか?



昨日は所得割について整理しましたので、今朝は付加価値割の概要について整理して行きたいと思います。



今朝は概要だけなんですか?



本日は終日外出のため、この後5時には家を出なくてはなりませんので、概要部分だけにします。また、付加価値割は非常に論点が多いため、何日かに分けて整理して行く予定です。



だから本日は1時から始業だったのですね。



「赤字なのに、なぜ法人事業税を払わなければならないのか?」
外形標準課税の対象となった法人から、実務で最も多く寄せられる疑問のひとつが、この「付加価値割」です。
利益ではなく、人件費や家賃といった“事業活動そのもの”を基準に課税されるため、制度を正しく理解していないと、思わぬ税負担に驚くことも少なくありません。
今朝は、外形標準課税の中でも特に重要な「付加価値割」について、制度の趣旨から計算の仕組み、実務上の注意点まで、整理します。



外形標準課税の①概要や②所得割については、こちらの記事で解説しておりますので、宜しければご覧ください。
【町田市の税理士が解説】法人事業税・外形標準課税とは?①概要編
【町田市の税理士が解説】法人事業税の外形標準課税とは?②所得割編
【付加価値割の概要編】
1.付加価値割とは?
法人事業税の付加価値割(ふかかちわり)は、資本金1億円超の法人などを対象とした「外形標準課税」の一部で、法人が事業活動によって生み出した「付加価値の大きさ」に対して課される税金です。
企業の利益(所得)ではなく、給与の支払いや賃借料の支払いといった事業規模(活動量)を基準にするため、赤字であっても納税義務が生じるのが最大の特徴です。
2. 付加価値割の課税の仕組みと計算方法
付加価値割の課税標準(税額計算の基礎となる金額)は、「付加価値額」と呼ばれます。これは、以下の2つの要素の合計額です。
付加価値額=収益配分額+単年度損益
(1) .収益配分額
事業活動から生じた利益を、労働や資本の提供者にどう分配したかを示す指標で、以下の3つの合計です。
- 報酬給与額: 役員や従業員への給与、賞与、退職金などの総額。
- 純支払利子: 支払利子から受取利子を差し引いた金額(計算結果がマイナスの場合は0)。
- 純支払賃借料: 土地・家屋の支払賃借料から受取賃借料を差し引いた金額(計算結果がマイナスの場合は0)。



報酬給与額、純支払利子、純支払賃借料の各詳細については明日以降の記事で解説します。
(2) .単年度損益
その事業年度の所得(税務上の利益)です。ただし、繰越欠損金を控除する前の金額を使います。
もし赤字(欠損)の場合は、収益配分額からその赤字分を差し引いて付加価値額を計算します(全体がマイナスになれば課税標準は0円)。



付加価値額とは、単なる「利益(単年度損益)」だけでなく、その利益を生み出すために支払った「人件費(報酬給与額)」、「金融費用(純支払利子)」、「賃借料(純支払賃借料)」を足し戻したものであり、法人が社会に分配した付加価値の総量を表すものです。
3. 付加価値割の税率
(1) .付加価値割の税率(標準税率)
外形標準課税の対象となる一般的な普通法人(資本金1億円超など)の場合、地方税法で定められた標準税率は 1.2% です。
(2) .自治体による独自の上乗せ(超過税率)
各都道府県は条例により、標準税率を超える税率(超過税率)を設定することが認められています(制限税率は2.4%)。 そのため、事業所がある自治体によって実際の税率は異なります。
- 東京都の2026年2月現在の例: 1.26% が適用されています。
- 大阪府の2026年2月現在の例: 東京都と同様に 1.26% が適用されています。



地方税法で定められている付加価値割の標準税率は1.2%ですが、
実際には多くの都道府県で条例により超過税率が適用されています。
4. 付加価値割の課税対象となる法人
原則として、資本金の額(または出資金の額)が1億円を超える普通法人が対象です。
※税制改正により、過去に外形標準課税の対象だった法人が減資して資本金1億円以下になっても、「資本金+資本剰余金」が10億円を超える場合などは対象として残る仕組みが導入されています。



令和6年度税制改正による外形標準課税の対象法人の変更については、こちらの記事で解説しておりますので、宜しければご覧ください。
【町田市の税理士が解説】2024年度(令和6年度)税制改正でどう変わった?外形標準課税の対象法人について
5. 付加価値割の重要な特徴と特例
- 赤字でも課税される
給与や家賃を支払っている限り「収益配分額」が発生するため、たとえ会社の利益が赤字であっても、付加価値割の納税が必要になるケースが一般的です。 - 雇用安定控除(負担軽減措置)
多くの雇用を維持している企業に配慮し、「報酬給与額」が「収益配分額」の70%を超える場合は、その超える部分を課税標準から控除できる特例があります。 - 会計上の扱い(損金算入)
一般的に、法人事業税の「所得割」は「法人税、住民税及び事業税」として処理されますが、この「付加価値割」(および資本割)は、事業を行うためのコストとみなされ、「販売費及び一般管理費(租税公課)」として計上されます(損金算入可能です)。
6. 付加価値割の算定上の重要なルール
(1) .法人税の所得計算との関係
外形標準課税における付加価値額の構成要素(報酬給与額、純支払利子、純支払賃借料)は、原則として法人税の所得計算上、損金(費用)または益金(収益)に算入される金額をベースに計算されます。
付加価値額は、法人税法上の所得(単年度損益)に、本来は経費として差し引かれている「人件費」「利子」「賃借料」を足し戻す(加算する)ことで、その法人が生み出した価値の総量を算出するという仕組みになっています。
1. 原則
付加価値額は以下の計算式で求められます。
付加価値額=収益配分額+単年度損益
- 単年度損益
これは法人税申告書(別表四)における所得金額(益金-損金)そのものです(ただし、繰越欠損金を控除する前の金額)。 - 収益配分額(報酬給与額+純支払利子+純支払賃借料)
法人税の計算上は「損金(経費)」として利益から差し引かれている項目です。外形標準課税では、これらを「利益の分配」と捉えて課税ベースに含めるため、損金に算入された金額を拾い出して加算します。



「付加価値額」の計算は、ゼロから積み上げるのではなく、法人税の申告書を作る過程で計算された「損金(人件費や利子・家賃の支払い)」や「所得」の数字を利用して再計算するものと理解して差し支えありません。法人税法上で費用や収益として認められないものは、原則として付加価値額の計算にも含めません。
(2) .資産計上分の特例(現金主義的な側面)
棚卸資産(仕掛品など)、有価証券、固定資産(建設仮勘定など)、繰延資産に含まれる給与・利子・賃借料については、法人税で損金算入される時期(減価償却時や売却時)ではなく、実際に支払った事業年度の付加価値額に算入します。 これは、その年度の事業活動規模を正しく反映させるためです。



ここが法人税との最大の違いです。法人税では資産(棚卸資産、固定資産など)の取得価額に含まれる人件費や利子は、その資産が販売されたり減価償却されたりした時点で初めて「損金」になります。
しかし、外形標準課税(付加価値割)では、その事業年度の事業活動規模を正しく反映させるため、以下の資産に含まれる報酬給与・利子・賃借料については、「実際に支払った(支出した)事業年度」の付加価値額に算入します。
• 対象となる資産
◦ 棚卸資産(仕掛品、製品など)
◦ 有価証券
◦ 固定資産(建設仮勘定、ソフトウェアなど)
◦ 繰延資産
• 取扱いの違い
◦ 法人税: 売上原価や減価償却費になった時点で損金算入。
◦ 事業税(付加価値額): 支出した年度に全額を算入(先取りして計算)。
したがって、例えば建設業で未成工事支出金(棚卸資産)に計上された人件費は、法人税ではまだ損金ではありませんが、事業税の付加価値額計算ではその年度の「報酬給与額」として加算する必要があります。
(3) .消費税の取扱い
外形標準課税における「付加価値額」の算定の際、消費税および地方消費税(以下、消費税等)は原則として含まない金額(税抜金額)を基礎とします。
1. 収益配分額の計算における取扱い
付加価値額を構成する「収益配分額」(報酬給与額、純支払利子、純支払賃借料)については、消費税及び地方消費税を除いた額を基礎として算出します。
- 報酬給与額
課税仕入れに該当しないため、通常は消費税の考慮は不要ですが、出向負担金など課税取引が含まれる場合は税抜処理が必要です。 - 純支払利子
支払利子、受取利子ともに消費税は非課税取引であるため、通常は消費税額は含まれていません。 - 純支払賃借料
土地の賃借などは非課税ですが、建物の賃借や駐車場の賃借などは課税取引となる場合があります。この場合、消費税等を除いた額で計算します。



付加価値額の算定(特に収益配分額)においては、消費税等を除いた額を用いて計算します。
7.まとめ
付加価値割は、単なる「利益に対する税金」ではなく、法人が事業活動を通じて生み出し、社会に分配した付加価値の総量に着目した課税制度です。そのため、赤字であっても人件費や賃借料の支払いがあれば課税される点や、法人税とは異なる独自の算定ルール(資産計上分の取扱いなど)が存在します。外形標準課税の対象法人にとって、付加価値割は税額への影響が大きく、正確な理解と事前のシミュレーションが欠かせません。
次回以降の記事では、付加価値割を構成する「報酬給与額」「純支払利子」「純支払賃借料」について、それぞれ具体例を交えながら詳しく解説していきます。










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