ミミレイドンボス、おはようございます!
出張お疲れ様でした。
今朝のテーマはなんでしょうか?



今朝は年金を受け取られている方向けの確定申告の必要性について、整理してみましょう。



公的年金って確定申告必要なんですか?非課税ではないんですか??年金の受給者は増え続けているので、勘違いしている人がいたら大変ですね。



老後の生活を支える大切な年金。「税金のことなんて難しくて分からない」と書類をしまい込んでいませんか?
実は、公的年金は「非課税」ではありません。そして、確定申告が不要な方でも、申告することで数万円〜数十万円の税金が戻ってくる(還付される) 可能性があります。
今回は、年金受給者が確定申告で損をせず、最大限得をするための知識を、誰にでもわかりやすく解説します。
1. はじめに
(1).年金受給と税金の関係
公的年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金など)は、税法上「雑所得」に区分され、所得税および住民税の課税対象となります。
サラリーマンの給与所得と同様、年金を受け取る際には、あらかじめ所得税等が天引きされる源泉徴収制度が適用されています。
(2).「年金=非課税」と誤解されやすい点を指摘
年金は非課税だと思われがちですが、それは一部の年金について当てはまる話です。
非課税となるのは、主に遺族年金や障害年金など、生活保障を目的とした年金です。これら非課税の年金には所得税が課税されません。
しかし、老齢年金や企業年金など、多くの方が受け取る公的年金は課税対象です。
(3).確定申告が必要かどうかを整理することの重要性
確定申告が必要なのにしなかった場合、後述する無申告加算税や延滞税といったペナルティが課されるリスクがあります。
また、申告が不要な方でも、医療費控除や保険料控除などを適用すれば、源泉徴収された税金が戻ってくる(還付)可能性があり、家計を守るために確定申告の要否を整理することが非常に重要です。



無申告加算税や延滞税などについては、こちらの記事で解説しております。
【町田市の税理士が解説】修正申告でかかる罰則税とは?加算税・延滞税・利子税を徹底解説!
2. 年金の種類と課税関係
年金は大きく分けて、国が関わる「公的年金」と、個人で準備する「私的年金」があり、それぞれ課税上の取り扱いが異なります。
(1).公的年金(国民年金・厚生年金など)
- 課税区分:雑所得
国民年金、厚生年金、恩給、確定給付企業年金、確定拠出年金(年金形式で受け取るiDeCo含む)など、公的な年金は雑所得に分類されます。 - 所得の計算:公的年金等控除
年金収入から、年齢や年金以外の所得金額に応じて定められた「公的年金等控除額」を差し引いた金額が、雑所得として課税対象になります。



公的年金等に係る雑所得の金額は、上記のとおり、年金の収入金額から公的年金等控除額を差し引いて所得金額を計算しますが、具体的には下記の表の年齢の区分および「(a)公的年金等の収入金額の合計額」に対応した「(b)公的年金等に係る雑所得の金額」の計算式を使って算出します。
公的年金等に係る雑所得の速算表(令和2年分以後)







雑所得の計算などの基礎知識については、こちらの記事で解説しております。
【町田市の税理士が解説】個人の雑所得の基礎知識について
(2).私的年金(個人年金保険など)
私的年金(主に個人年金保険)の課税関係は、受取方法と名義関係によって異なります。
- 年金形式で受け取る場合:雑所得
契約者(保険料負担者)と受取人が同一の場合、毎年受け取る年金は雑所得(公的年金等以外の「その他」の雑所得)となり、計算式に基づき課税部分が算入されます。 - 一時金として一括で受け取る場合:一時所得
満期保険金や解約返戻金を一括で受け取った場合、一時所得に該当します。一時所得は、受取総額から払込総額と最大50万円の特別控除額を差し引いたうえで、その2分の1の金額が課税対象となります。
3. 確定申告が必要なケース
確定申告は義務となるケースと、還付を受けるためにお得になるケースがあります。
(1).公的年金の受給額が一定額を超える場合(65歳未満108万円、65歳以上158万円超)
公的年金等の収入金額の合計額が400万円を超える場合、確定申告が義務になります。
また、年金が源泉徴収の対象となる基準額も参考として知っておきましょう。
- 65歳未満の方:年金受給額が108万円超の場合。
- 65歳以上の方:年金受給額が158万円超の場合。
(2).個人年金の雑所得が 20万円を超える
公的年金の収入が400万円以下で、その全額が源泉徴収の対象となっている場合でも、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が年間20万円を超えると、確定申告が義務になります。
この「雑所得以外の所得」には、アルバイトの給与所得、不動産所得、個人年金保険による雑所得、株式の配当所得、生命保険の一時所得 など、公的年金以外の全ての所得が含まれます。
(3).源泉徴収されていても還付を受けられる可能性がある
確定申告が義務ではない場合でも、以下のケースに該当すれば還付申告をすることで、源泉徴収された税金が戻ってくる可能性が高いです。
- 多額の医療費を支払ったため、医療費控除を適用したい場合
所得が200万円未満の場合は、医療費が10万円以下でも「総所得金額等の5%」を超えれば控除対象になる場合があります。 - 生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除など、源泉徴収時に反映されていない控除を適用したい場合
特に、配偶者の国民年金保険料などを納税者本人が口座引き落としや納付書で支払った場合、納税者本人の社会保険料控除の対象となります。 - ふるさと納税など、寄附金控除の適用を受ける場合
ワンストップ特例を申請していても、確定申告をする場合は、全ての寄附金額を含めて申告する必要があります。 - 住宅ローンを利用して自宅を購入し、住宅借入金等特別控除(初年度)を受ける場合
4. 確定申告が不要なケース
(1).公的年金が基準額以下の場合
年金受給者には「確定申告不要制度」が設けられており、以下の両方の要件を満たす場合に、所得税の確定申告は不要です。
- 公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下であり、かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となっている。
- 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である。
(2).個人年金の雑所得が20万円以下の場合
上記(1)の2つ目の要件にあたりますが、給与や不動産、個人年金などの公的年金以外の所得(雑所得)が合計で20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要となります。



所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は必要になるケースがあります。
所得税の「20万円以下ルール」は住民税には適用されません。お住まいの市区町村へ住民税の申告が必要なのかについて、ご確認いただくことをお勧めします。
(所得税の確定申告をした場合は、そのデータが地方自治体に送られるため、別途住民税の申告は不要となります。)
5. 年金受給者で配当所得がある場合
配当所得の取り扱いは、その種類や納税方法によって異なり、それが「20万円の壁」の判定に影響します。
(1). 確定申告が必要となるケース
以下のいずれかに該当する場合、配当所得が「公的年金等以外の所得」として20万円の基準に含まれ、確定申告が必要となる可能性が高くなります。
- 配当所得を含む公的年金等以外の所得の合計が20万円を超えた場合
公的年金収入が400万円以下であっても、配当所得(またはその他の所得、例えば給与所得、不動産所得、個人年金保険による雑所得など)を合算した金額が20万円を超えると、確定申告が義務になります。 - 非上場株式の配当所得がある場合
非上場株式の配当金は、原則として総合課税の対象であり、源泉徴収(20.42%)されていますが、確定申告が必要です(少額配当等に該当する場合を除きます)。この所得は、上記の「20万円の壁」の判定に含まれます。 - 上場株式の配当等を「総合課税」または「申告分離課税」で申告する場合
通常、特定口座(源泉徴収あり)の上場株式等の配当等は、源泉徴収で課税が完結するため、確定申告不要制度を選択すれば、上記の「20万円の壁」の計算に含める必要はありません。しかし、あえて確定申告を選択する場合は、その所得(配当所得)が20万円の判定に含まれます。
(2). 確定申告をしなくてよい(申告不要)ケース
以下の条件をすべて満たす場合、所得税の確定申告は不要です。
1. 公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下である。
2. 公的年金等以外の所得金額の合計額が20万円以下である。
上場株式等の配当所得については、配当控除などを受けず、源泉徴収で納税を完結する(確定申告不要制度を選択する)場合、20万円の基準に含める必要がなくなります。これにより、配当所得があっても確定申告をせずに済むことが多いです。
(3). 確定申告が「お得」になるケース(還付申告)
仮に所得税の確定申告が義務でなくても(上記2の条件を満たしていても)、配当所得を申告することで還付を受けられるなど、メリットがある場合があります。
- 配当控除の適用を受ける場合
上場株式等の配当所得について総合課税を選択し、配当控除を適用すると、配当に源泉徴収された税金が還付される可能性があります。ただし、配当控除は申告分離課税を選択した場合は受けられません。 - 譲渡損失との損益通算・繰越控除
上場株式等の譲渡損失がある場合、確定申告により、その損失を配当所得と相殺(損益通算)することで課税所得を減らし、税金の還付を受けられる可能性があります。さらに、損益通算で控除しきれなかった損失は、確定申告を行うことで翌年以降3年間繰り越す(繰越控除)ことができます。 - 各種控除を適用する場合
医療費控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除(ふるさと納税など)、雑損控除など、公的年金等の源泉徴収の際に反映されていない控除を適用する場合、確定申告(還付申告)をすることで源泉徴収された税金が還付される可能性があります。



配当所得の基礎知識については、こちらの記事で解説しております。
【町田市の税理士が解説】個人の配当所得の基礎知識について
6. 確定申告の方法
(1).国税庁「確定申告書等作成コーナー」での入力
確定申告書の作成には、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」の利用が最もおすすめです。画面の案内に従って金額を入力するだけで、税額が自動的に計算され、申告書が作成できます。
また、マイナンバーカードと対応するスマートフォンを利用すれば、作成から提出(e-Taxによる送信)まで自宅で完結できます。e-Taxで申告すれば、書類の添付も省略でき、還付金も早く受け取れる可能性があります。
(2).必要書類(源泉徴収票、支払年金額のお知らせなど)
確定申告の際に必要な主な書類は以下の通りです。
確定申告書作成コーナーまたは税務署で入手しましょう。
年間の支給額や源泉徴収額が記載されています。申告書作成のための情報源として必要です。
確定申告には、マイナンバーカードまたは通知カード+本人確認書類が、必要となります。
社会保険料控除証明書、生命保険料控除証明書、医療費の明細書(または領収書)など、適用を受ける控除に関する書類を集めましょう。



源泉徴収票は、申告書への添付または提示が不要となっていますが、申告内容の確認や入力のために必ず手元に用意してください。
(3).雑所得欄への記載方法
公的年金、私的年金ともに「雑所得」として申告書に記載されます。
- 公的年金等
源泉徴収票に記載された「支払金額」などをもとに、公的年金等控除額を差し引いて計算された雑所得の金額を、確定申告書第一表の雑所得(公的年金等)の欄(⑦)に記入します。 - 私的年金(個人年金)
雑所得(公的年金等以外)の「その他」欄(⑨)に、年金収入から必要経費(支払った保険料のうちその年金に対応する部分)を差し引いた金額を記入します。


7. 確定申告を怠った場合のリスク
確定申告が必要な方が申告を怠ると、重いペナルティや予期せぬ不利益を被る可能性があります。
(1).無申告加算税や延滞税の可能性
本来納めるべき税金があるにもかかわらず期限(原則翌年3月15日)までに申告しなかった場合、以下のペナルティが課されます。
- 無申告加算税
納付すべき税額に対し、最大で15%〜20%が課されます(自主的な期限後申告の場合は5%に軽減)。 - 延滞税
納期限の翌日から納付が完了した日までの日数に応じて課される「利息」に相当する税です。
さらに悪質な場合は、最も重いペナルティである重加算税(35%〜40%)が課される可能性もあります。



無申告加算税や延滞税などについては、こちらの記事で解説しております。
【町田市の税理士が解説】修正申告でかかる罰則税とは?加算税・延滞税・利子税を徹底解説!
(2).保険料計算や住民税に影響が出る
確定申告を怠ると、地方自治体へ正確な所得情報が伝わらず、翌年の住民税の税額が正しく計算されません。
また、国民健康保険料や介護保険料などの社会保険料は、前年の所得に基づき計算されるため、所得を正しく申告しないと、これらの保険料計算にも影響が出て、結果的に負担が増える場合があります。
8. 節税のポイント
確定申告は、税金を取り戻す絶好のチャンスです。特に年金受給者が活用しやすい節税ポイントを見ていきましょう。
(1).社会保険料控除・医療費控除・生命保険料控除との併用
これらの所得控除を適用することで、課税対象となる所得金額が減り、結果的に税負担を軽減できます。
- 社会保険料控除
国民健康保険料、介護保険料、国民年金保険料など、納税者本人や生計を一にする親族の分を支払った場合に、その支払額全額が控除対象です。
なお、 生計を一にする配偶者の年金から天引き(特別徴収)された保険料は、納税者本人の控除対象にはなりませんが、納税者本人の口座振替等で支払った場合は控除可能です。 - 医療費控除
年間医療費(補填額除く)が10万円(または所得の5%)を超えた場合に適用できます。 - 生命保険料控除
一般生命保険、介護医療保険、個人年金保険の保険料を支払った場合、それぞれ最大4万円、合計最大12万円(所得税)の控除が受けられます。
(2).個人年金保険料控除の適用条件(補足)
個人年金保険料控除(生命保険料控除の1つ)の適用を受けるには、その保険契約が以下の要件を全て満たす必要があります。
1. 年金受取人は契約者本人または配偶者であること。
2. 保険料の払込期間が10年以上であること。
3. 年金受取開始年齢が原則60歳以上で、かつ年金受取期間が10年以上であること。



令和7年度の税制改正により、「特定親族特別控除」が創設されました。これは、19歳以上23歳未満の親族(主に大学生の年代)の合計所得金額が58万円超123万円以下である場合に、最大63万円の控除が受けられる制度です。
この控除の適用を受けるためには、年金受給者の方も原則として確定申告が必要となります。大学生の子どもを持つ世帯にとっては、大きな節税機会となるため、忘れずに確認しましょう。



特定親族特別控除については、こちらの記事で解説しております。
【町田市の税理士が解説】年末調整シリーズ第3回: 令和7年税制改正で新たに追加された特定親族特別控除とは?大学生の子を持つ親御さんに朗報!
9. まとめ
(1).年金受給者は「公的年金」「私的年金」の違いを理解することが大切
老齢基礎年金などの公的年金は雑所得として公的年金等控除が適用されますが、私的年金(個人年金)は、年金形式であれば雑所得(公的年金等以外)、一括受取であれば一時所得となり、それぞれ計算方法が大きく異なります。
(2).確定申告が必要かどうかを事前に確認し、還付の可能性も見逃さない
公的年金収入が400万円以下かつ年金以外の所得が20万円以下であれば、所得税の確定申告は原則不要です。しかし、医療費控除、各種保険料控除、ふるさと納税など、還付を受けられる可能性が少しでもある場合は、積極的に還付申告を行いましょう。



税制は複雑であり、特に複数の所得がある場合や、税制改正があった年は判断が難しくなります。正確な申告と最大限の節税を実現するため、不安がある場合は税理士などの専門家にご相談することをおすすめします。
相談できる税理士がいない場合には、お気軽にこちらまでお問い合わせください。










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