ミミレイドンボス、おはようございます!
2026年4月19日のテーマはなんでしょうか?



今朝は、法人税における減価償却資産の範囲について整理していきたいと思います。



減価償却資産ですね。建物やパソコンなど、長期間使う事業用の資産が対象になるというイメージがあります。



ええ、その通りです。ただ、実務においては、建設中の資産や稼働を休止している資産、美術品、さらにはソフトウェアなど、減価償却資産に該当するかどうかの判定が複雑なケースが多く存在します。



確かに、今は動いていない機械や、価値が下がらなさそうな美術品はどう扱うのか気になります。



非常に良い着眼点ですね。今日は税務調査でも論点になりやすいこのテーマについて、法令や通達を読み解きながら、原則的な取扱いから例外、さらには実務での注意点まで確認していきましょう。
減価償却資産の原則的な範囲と法令上の定義
まずは、法令に基づく減価償却資産の基本的な定義から確認していきましょう。 法人税法上、減価償却資産とは、建物、構築物、機械及び装置、船舶、車両及び運搬具、工具、器具及び備品、鉱業権その他の資産で償却をすべきものとして政令で定めるものをいいます。 そして、これを受けた法人税法施行令第13条では、具体的な減価償却資産の範囲を規定しています。ここで最も重要な大原則は、事業の用に供していないもの、及び時の経過によりその価値の減少しないものは減価償却資産から除かれるということです。
法令で定められている主な減価償却資産の例は以下の表のようになります。
| 資産の区分 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 有形減価償却資産 | 建物及びその附属設備、構築物、機械及び装置、船舶、航空機、車両及び運搬具、工具、器具及び備品 |
| 無形固定資産 | 鉱業権、漁業権、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、ソフトウェア、営業権、貯留権など |
| 生物 | 牛、馬、豚などの家畜、かんきつ樹、りんご樹などの果樹 |
このように、形のある有形固定資産だけでなく、ソフトウェアや特許権などの無形固定資産、さらには事業の用に供する牛や馬などの生物までもが減価償却資産の範囲に含まれます。



生物が減価償却資産になるというのは意外に思われるかもしれませんが、農業や畜産業を営む法人にとっては非常に重要な資産です。基本的には時の経過により価値が減少し、かつ事業の用に供しているかどうかが判定の根幹となりますので、この大原則をまずはしっかりと押さえておいてくださいね。
事業の用に供した時期と実務で迷いやすい資産の取扱い
減価償却資産の要件である事業の用に供しているかどうかについて、実務上判断に迷うことが多いケースを通達に基づき解説します。
建設中の資産の取扱い
工場を建設している場合や、大規模な機械を組み立てている最中など、期末時点でまだ建設中である資産は、原則として減価償却資産には該当しません。これらは建設仮勘定として経理されることになります。ただし、全体としては建設中であっても、一部が既に完成し、その完成した部分が事業の用に供されているときは、その事業の用に供された部分は減価償却資産として償却を行うことになります。
稼働休止資産の取扱い
かつては事業の用に供していたものの、現在は生産調整などの理由で稼働を休止している資産はどうなるでしょうか。法人税基本通達7-1-3では、稼働を休止している資産であっても、その休止期間中に必要な維持補修が行われており、いつでも稼働して事業の用に供することができる状態にあるものについては、減価償却資産に該当するものとして減価償却を継続することを認めています。 物理的に事業の用に供されていないからといって直ちに減価償却がストップするわけではなく、将来の再稼働を前提として維持管理されているかどうかがポイントとなります。
無形減価償却資産の事業の用に供した時期
有形固定資産の場合は、一般にその資産を本来の目的のために使用開始した日が事業の用に供した日となります。無形固定資産についても、原則としてはその資産の内容に応じて事業の用に供した日を判定しますが、法人税基本通達7-1-6では、漁業権、工業所有権及び樹木採取権については、その存続期間の経過により償却すべきものであることから、取得の日から事業の用に供したものとして取り扱うこととされています。



稼働を休止している機械装置などについて減価償却を継続するためには、いつでも動かせる状態であることを税務調査等で客観的に説明できるようにしておく必要があります。定期的なメンテナンスの記録や保守点検の履歴などをしっかりと残しておくことが実務上とても大切ですよ。
美術品等が減価償却資産となるかの判定
美術品等の取扱いは、実務でもよくご質問をいただく論点です。法人税基本通達7-1-1に基づき解説します。
原則的な判定基準
美術品等が減価償却資産に該当するかどうかの最大の基準は、時の経過によりその価値が減少するかどうかです。古美術品、古文書、出土品、遺物のように歴史的価値や希少価値を有し、代替性のないものは、時の経過により価値が減少しないため、減価償却資産には該当しません。
取得価額による判定の目安
実務上の客観的な目安として、取得価額が1点100万円未満の美術品等は、原則として減価償却資産に該当するものとして取り扱われます。ただし、1点100万円未満であっても、時の経過により価値が減少しないことが明らかなものは減価償却資産から除かれます。 一方で、取得価額が1点100万円以上の美術品等であっても、不特定多数の者が利用する場所の装飾用又は展示用(有料公開を除きます。)として取得され、移設困難で当該用途にのみ使用されることが明らかであり、かつ、他の用途に転用した場合に市場価値が見込まれないものについては、例外的に減価償却資産として取り扱われ得ます。



社長室に飾るための高額な絵画などを会社で購入した場合、それが減価償却できるのかどうかは慎重に判定しなければなりません。取得価額が100万円以上の場合、不特定多数の目に触れる展示状況であり、かつ移設が困難といった厳しい要件を満たさない限り減価償却資産にはならないため、安易な判断は避けてくださいね。
ソフトウェアの取扱いと注意点
現代のビジネスにおいて欠かせないソフトウェアは、法人税法施行令第13条により無形固定資産として減価償却資産の範囲に含まれます。しかし、研究開発目的で使用されるソフトウェアについては特殊な取扱いがあります。
研究開発のためのソフトウェアの例外
特定の研究開発にのみ使用するために取得又は製作したソフトウェアであっても、研究開発のためのいわば材料となることが明らかなものを除き、原則として減価償却資産に該当します。
もっとも、ソフトウェアの取得価額に算入しないことができる研究開発費については別途取扱いがあり、自社利用ソフトウェアについては、その利用により将来の収益獲得又は費用削減にならないことが明らかな場合に限り、当該研究開発費を取得価額に算入しないことができます。



ソフトウェアの費用処理については、それが単なるツールや道具として長期間使われるものなのか、それとも研究開発のテスト用の素材として消費されてしまうものなのかによって処理が分かれます。実務では、そのソフトウェアの目的や性質をシステム部門などから詳細にヒアリングして判定を行ってくださいね。
少額の減価償却資産と使用可能期間の判定
取得価額が一定の金額未満の資産については、少額減価償却資産として取得時に損金算入する特例などがありますが、この場合の判定単位や使用可能期間についても通達で細かく規定されています。
取得価額の判定単位
少額の減価償却資産や一括償却資産の取得価額の判定は、通常1単位として取引されるその単位ごとに行います。法人税基本通達7-1-11によれば、機械及び装置については1台又は1基ごと、工具、器具及び備品については1個、1組又は1そろいごとに判定することとされています。 また、応接室の調度品セットなどのように、2以上の器具や備品が一定の色調やデザインによって統一的にレイアウトされている場合には、そのレイアウトされた一つの空間を構成するすべての資産を1つの単位として取得価額を判定する必要があります。
使用可能期間が1年未満の資産の判定
使用可能期間が1年未満の減価償却資産の判定は、法定耐用年数によるのではありません。法人の属する業種における一般的な消耗性の度合いに加え、その法人の平均的な使用状況や補充状況などを総合的に勘案して、実際の使用可能期間が1年未満であるかどうかで判定することができます。



応接セットなどを椅子1脚ごとに金額を分けて少額減価償却資産の特例を使おうとするケースが見受けられますが、これは通達のルールに反してしまいます。通常どのように取引され、どのように機能を発揮するのかという実態に基づいて判定単位を決定することを徹底してくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、法人税における減価償却資産の範囲について、法令の原則的な定義から、建設中資産、稼働休止資産、美術品、ソフトウェアなどの実務上迷いやすい論点までを詳細に解説いたしました。 減価償却資産に該当するかどうかの判断は、時の経過により価値が減少するかどうか、そして事業の用に供しているかどうかという大原則に立ち返って考えることが非常に重要です。



税務調査においても取得価額の判定単位や事業供用の時期は必ず確認されるポイントですので、今回の解説を参考にしていただき、適正な実務処理を行っていただければ幸いです。










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