ミミレイドンボス、おはようございます!
2026年4月20日のテーマはなんでしょうか?



今朝は「法人税法における減価償却の方法」について解説いたします。



減価償却ですね。定額法や定率法などの種類があることは知っていますが、実務でどのように適用すべきか少し自信がありませんので、ぜひ詳しく教えてください。



承知いたしました。資産の種類や取得時期によって適用できる償却方法は法令で細かく定められており、実務上非常に重要な論点ですので、基礎的な原則から例外的な特例まで確認していきましょう。
減価償却の基本的な仕組みと法定償却方法
法人税法において、法人が各事業年度終了の時において有する減価償却資産につきその償却費として損金の額に算入する金額は、その法人が償却費として損金経理をした金額のうち、選定した償却の方法に基づき計算した金額(償却限度額)に達するまでの金額とされています。これが減価償却の原則的な取扱いとなります。
減価償却資産の償却方法は、資産の種類ごとに選定し、税務署長へ届け出る必要があります。もし法人が償却方法を選定しなかった場合、あるいは選定した方法により評価しなかった場合には、法定償却方法が適用されることになります。
平成19年4月1日以後に取得された減価償却資産における法定償却方法は、法令により以下のように規定されています。 ・建物、建物附属設備及び構築物、無形固定資産、生物など:定額法
・上記以外の有形減価償却資産(機械及び装置、車両運搬具など):定率法
・鉱業用減価償却資産、鉱業権:生産高比例法



実務上、法人が設立された第1期目に償却方法の届出を失念してしまうケースが散見されます。その場合、この法定償却方法が強制適用されることになりますので、建物附属設備以外の機械や車両に対して定額法を採用したい場合などは、期限内の届出を絶対に忘れないようにしてくださいね。
減価償却資産の区分と選定できる償却方法
減価償却資産について選定できる償却方法は、税制改正の経緯から「取得した時期」および「資産の種類」によって細かく区分されています。特に、平成19年3月31日以前の取得か、平成19年4月1日以後の取得か、さらには平成28年4月1日以後の取得かによって、選定できる方法が異なります。
法人税法施行令第48条および第48条の2に基づき、平成19年4月1日以降に取得された主要な減価償却資産の選定可能な償却方法を以下の表に整理しました。
| 資産の種類 | 取得時期 | 選定できる償却方法 |
|---|---|---|
| 建物 | 平成19年4月1日以後 | 定額法 |
| 建物附属設備・構築物 | 平成19年4月1日〜平成28年3月31日 | 定額法、定率法 |
| 建物附属設備・構築物 | 平成28年4月1日以後 | 定額法 |
| 機械及び装置、車両運搬具など | 平成19年4月1日以後 | 定額法、定率法 |
| 無形固定資産(鉱業権を除く)、生物 | 平成19年4月1日以後 | 定額法 |
| 鉱業用減価償却資産 | 平成19年4月1日以後 | 定額法、定率法、生産高比例法 |
| リース資産(所有権移転外) | 平成20年4月1日以後 | リース期間定額法 |
※ 令和7年4月1日以後に開始する事業年度において経過リース資産を有する法人は、一定の要件・届出の下で「経過リース期間定額法」を選定できる場合があります。
このように、平成28年度の税制改正により、平成28年4月1日以後に取得される建物附属設備および構築物については、定率法が廃止され、定額法のみが適用されることになりました。



表からもわかる通り、建物の附属設備や構築物について、いつ取得したものかによって定率法が使えるかどうかが変わってきます。実務では、過去から保有している資産と新規に取得した資産が混在するため、固定資産台帳の登録時に適用される償却方法を誤らないよう十分に確認してください。
減価償却方法の選定手続きと変更の手続き
減価償却資産の償却方法は、設備の種類や資産の区分ごとに選定しなければなりません。ただし、2以上の事業所または船舶を有する法人の場合は、事業所または船舶ごとに異なる償却方法を選定することが認められています。
新設法人は、設立第1期の確定申告書の提出期限までに減価償却資産の償却方法の届出を行います。 また、設立後に既に償却方法を選定している減価償却資産以外の減価償却資産を取得した場合にも、その取得日の属する事業年度の確定申告書の提出期限までに届出が必要です。 なお、新たに事業所を設けた場合に届出が必要となるのは、その事業所に属する資産について既採用の償却方法と異なる償却方法を選定しようとする場合などに限られます。
また、一度選定した償却方法(届出を行わず法定償却方法によっている場合を含みます)を変更しようとする場合には、新たな償却方法を採用しようとする事業年度開始の日の前日までに、変更の理由などを記載した申請書を所轄税務署長に提出し、承認を受けなければなりません。税務署長は、現に採用している償却方法を採用してから相当期間を経過していないときや、変更により所得の金額の計算が適正に行われ難いと認めるときは、申請を却下することができます。



償却方法の選定届出は、法人の設立時だけでなく、設立後に「今まで持っていなかった種類の減価償却資産」を新たに取得した場合にも必要になる点に注意が必要です。また、償却方法の変更申請は、適用を受けようとする事業年度が始まる前日までに提出しなければならない点が実務上の大きな落とし穴です。決算期に入ってから利益が出そうだから定額法から定率法に変えたいと考えても間に合いませんので、将来の設備投資計画や利益計画を見据えた事前の対策が必要となります。
特別な償却方法と例外的な取扱い
法人税法では、定額法や定率法といった一般的な償却方法のほかに、資産の性質や実態に応じた特別な償却方法や例外的な取扱いが認められています。
取替法による償却
軌条や枕木など、多量に同一の目的のために使用される減価償却資産で、毎事業年度使用に耐えなくなった資産の一部がほぼ同数量ずつ取り替えられるもの(取替資産)については、所轄税務署長の承認を受けることで「取替法」を選定することができます。
特別な償却率による償却
漁網や活字に常用される金属など、財務省令で定める減価償却資産については、所轄国税局長の認定を受けた特別な償却率を用いて償却限度額を計算する方法を選定することができます。
減価償却資産の特別な償却の方法
法人が、法令で定められた定額法や定率法などの償却方法以外の方法により償却限度額を計算したい場合は、所轄税務署長の承認を受けることで、その特別な償却方法を選定することができます。 例えば一つの建物が部分的にその用途を異にしている場合、その用途を異にする部分がそれぞれ相当の規模であり、用途ごとに償却することが合理的であると認められる事情があるときは、当該建物につき用途を異にする部分ごとに異なる償却方法を選定することができます。 また、機械及び装置についても、耐用年数省令別表第二の設備の種類ごとに細目の区分が定められている場合、その細目の区分ごとに異なる償却方法の承認を受けることが可能であることが示されています。
耐用年数の短縮の特例
減価償却資産が、材質や製作方法の違い、地盤の隆起や沈下、陳腐化、使用場所の状況による著しい腐食などの事由により、使用可能期間が法定耐用年数に比べて著しく短くなった場合には、所轄国税局長の承認を受けることで、未経過使用可能期間を法定耐用年数とみなして償却を行うことができます。 実務上の判定基準として、法人税基本通達7-3-18において、使用可能期間が法定耐用年数に比して著しく短いかどうかは、法定耐用年数に比しておおむね10パーセント以上短い年数となったかどうかにより判定することとされています。



耐用年数の短縮は、陳腐化の激しいIT関連設備や、過酷な環境で使用される機械装置などで検討の余地があります。ただし、国税局長の承認を得るための技術的・客観的な立証資料の準備が必要となるため、専門家を交えた慎重な準備が求められます。
償却限度額の特例と償却累積額の取扱い
平成19年3月31日以前に取得された減価償却資産(旧定額法や旧定率法を採用しているもの)については、償却の累積額が取得価額の95パーセント相当額に達した場合に、残存簿価である5パーセント相当額についての特例が設けられています。 この特例によれば、償却累積額が取得価額の95パーセントに達した事業年度の翌事業年度以降において、取得価額から95パーセント相当額と1円を控除した残額を、60ヶ月(5年間)で除して計算した金額を各事業年度の償却限度額として均等償却し、最終的に備忘価額の1円まで償却することができます。
さらに、堅固な建物等の償却限度額の特例として、鉄骨鉄筋コンクリート造の建物などで償却累積額が取得価額の95パーセントに達した場合、残存使用可能期間について所轄税務署長の認定を受けることで、取得価額の5パーセント相当額から1円を控除した金額を、その認定を受けた残存使用可能期間の月数で均等に償却することが認められています。
実務上、とりわけ注意が必要なのは、これらの特例の適用を受けている資産に対して資本的支出を行った場合です。法人税基本通達7-4-8によれば、償却累積額が取得価額の95パーセントに達し、5年均等償却の特例(令第61条第2項)の適用を受けている減価償却資産について資本的支出を行った結果、その資本的支出を加算した後の帳簿価額が、加算後の取得価額の5パーセント相当額を「超える」こととなった場合には、同項の特例の適用はなくなります。 つまり、資本的支出によって帳簿価額が跳ね上がった結果として5パーセントの枠を超えたなら、もはや残存簿価を均等に償却するフェーズではなくなり、その資産について採用している本来の償却方法(定率法や定額法など)による通常の減価償却の計算に引き戻されることになります。このルールを誤ると過大償却などの税務申告の誤りに直結しますので、十分に留意してください。



平成19年の税制改正以前に取得した資産がまだ固定資産台帳に残っている企業も少なくありません。償却累積額が95パーセントに達した後の5年均等償却への切り替えや、その資産に対して修繕や改良などの資本的支出を行った場合の限度額の再計算は、会計ソフトの自動計算に頼りきりになると誤りを起こしやすいポイントですので、手作業でのチェックも併せて行うことをお勧めします。
まとめ
本日は、法人税法に基づく減価償却の方法について、法定償却方法の原則から、資産区分ごとの選定手続き、特別な償却方法、そして耐用年数の短縮や償却累積額の特例に至るまで、網羅的に解説いたしました。 減価償却は、企業の利益計算や資金繰りに直結する極めて重要な税務上の手続きです。適用できる方法や変更の届出期限、通達に基づく実務的な要件の判定など、細部にわたるルールの正確な理解が不可欠です。



事業環境の変化や設備投資の計画に合わせて、最も適法かつ合理的な減価償却方法を選択できるよう、本日の解説がお役に立てば幸いです。お困りの際は、ぜひ専門家である税理士にご相談ください。










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