ミミレイドンボス、おはようございます!
2026年6月8日のテーマはなんでしょうか?



今朝は、法人税法における「同族会社の範囲と判定」について確認していきましょう。税務調査でも頻繁に確認される、実務上極めて重要なテーマですよ。



同族会社ですか。社長とそのご家族で株を独占している会社、というイメージですが、具体的にどう判定するのか、細かいルールが多そうで不安です。



おっしゃる通り、大まかなイメージとしては間違っていません。しかし、税務上の判定は株主の抽出方法や「同族関係者」の範囲など、法令や通達で非常に厳格かつ精緻に定められているのです。



なるほど!例外的な取扱いなども含めて、しっかりと理解したいです。



今日は基本から特例、さらには実務で迷いやすい具体的なケースまで確認していきましょう。
1. 同族会社の原則的な定義と判定基準
法人税法における「同族会社」とは、原則として、その会社の発行済株式の総数又は出資金額の50パーセント超に相当する株式又は出資が「3人以下の株主等」及びその「同族関係者」によって所有されている会社をいいます。ここでの会社には、投資信託及び投資法人に関する法律に規定する投資法人も含まれます。また、保有割合を計算する際の分母となる発行済株式の総数や出資金額からは、その会社自身が保有する自己株式や自己出資は除外して計算することとされています。
同族会社の判定においては、単に株式の数や出資の金額だけで判断するわけではありません。平成18年度の税制改正により、判定基準が追加され、現在では以下の3つの基準のいずれかに該当すれば同族会社と判定されることになっています。
| 判定基準 | 該当する要件(3人以下の株主等及びその同族関係者による保有割合) | 備考 |
|---|---|---|
| 株式数・出資金額 | 発行済株式又は出資の総数又は総額の50%超 | 自己株式・自己出資を除く |
| 議決権の数 | 議決権の総数の50%超 | 行使できない議決権を除く |
| 社員の数 | 社員(業務執行社員を定めた場合は業務執行社員)の半数超 | 合名会社、合資会社、合同会社に適用 |
会社が株式数や出資金額の基準で同族会社に該当しない場合であっても、議決権制限株式を発行している場合や、子会社が保有する親会社株式など議決権を行使できない株主等がいる場合には、議決権の数による判定を必ず行う必要があります。



同族会社に該当するかどうかは、株式の数だけでなく、議決権の数や社員の数という複数の基準から多角的に判定を行う必要がある点に注意してください。例えば、配当優先の無議決権株式を多数発行している会社であっても、議決権のある普通株式を少数の親族で独占していれば、議決権の基準によって同族会社と判定されることになります。会社の定款や登記簿、株主名簿を隅々まで確認することが実務の第一歩となりますよ。
2. 同族関係者の範囲(特殊の関係のある個人及び法人)
同族会社の判定においては、株主本人だけでなく、その株主と「特殊の関係のある個人及び法人(同族関係者)」が保有する株式や議決権等をすべて合算して計算します。この同族関係者の範囲は、法人税法施行令第4条によって明確に規定されています。
特殊の関係のある個人の範囲
株主等と特殊の関係のある個人とは、次に掲げる者をいいます。
- 株主等の親族
- 株主等と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者
- 株主等(個人である株主等に限ります)の使用人
- 上記1から3に掲げる者以外の者で、株主等から受ける金銭その他の資産によって生計を維持しているもの
- 上記2から4に掲げる者と生計を一にするこれらの者の親族
特殊の関係のある法人の範囲
特殊の関係のある法人は、判定対象会社の株主等の1人を起点として、その株主等が支配している会社、さらにその株主等と既に特殊関係法人とされた会社が共同して支配している会社など、法人税法施行令第4条第2項に定める一定の支配関係にある会社をいいます。ここでいう「支配している場合」とは、具体的に以下のいずれかの状態を指します。
- 他の会社の発行済株式又は出資の総数又は総額の50%超を有する場合
- 他の会社の事業の全部若しくは重要な部分の譲渡、解散、継続、合併、分割等に関する決議、役員の選任及び解任に関する決議、役員の報酬等に関する決議、又は剰余金の配当等に関する決議に係る議決権のいずれかにつき、その総数の50%超を有する場合
- 他の会社の株主等(合名会社などの持分会社にあっては社員又は業務執行社員)の総数の半数超を占める場合
また、株主グループが会社Aを支配しており、その株主グループと会社Aが共同で会社Bを支配している場合、会社Bも同族関係法人となります。さらに、同一の個人又は法人と特殊の関係のある2以上の会社がともに株主等である場合には、その2以上の会社は相互に特殊の関係のある会社とみなされます。



個人の同族関係者を判定する際、実務上見落としがちなのが『内縁の配偶者』や『株主からの金銭的援助で生活している愛人や事実上の被扶養者』です。通達によれば、生計を一にするとは必ずしも同居していることを要しません。別居していても仕送り等で生活を成り立たせている親族がいれば、合算の対象になることを忘れないでくださいね。
3. 実務上の具体例と注意点(通達に基づく解説)
ここからは、法人税基本通達をベースにして、実務上迷いやすい論点や例外的な取扱いについて具体的に解説いたします。
名義株についての株主等の判定
同族会社の判定の基礎となる株主等は、株主名簿や社員名簿の記録だけで機械的に判断してはいけません。あくまで株式又は出資の実質上の権利者で判定を行う必要があります。名義借りの株式が存在する場合は、真の所有者を特定した上で保有割合を計算します。
同族会社の判定の基礎となる株主等の選定順序
株主を3人抽出して判定を行う際、必ずしも持株数や出資割合の大きい株主から順に選ばなければならないというルールはありません。ある会社の株主の中から、どのように3人の株主とその同族関係者を選定したとしても、そのグループの保有割合が50%超となれば、その会社は同族会社に該当することになります。親族関係の広がりが大きい株主を中心にしてグループを構成した結果、50%超の基準を満たすことになれば、同族会社と判定される点に留意が必要です。
議決権を行使できない株主等が有する議決権の取扱い
議決権の数によって判定を行う際、会社法等の規定により議決権を行使することができない株主等がいる場合は、その議決権を分母となる議決権の総数から除外し、分子となる特定の株主グループの議決権数からも除外して割合を計算します。 例えば、子会社が親会社(総株主の議決権の4分の1以上を有し実質的に支配している関係にある会社)の株式を保有している場合、子会社はその親会社株式につき議決権を有しないため、計算から除外されます。
同一の内容の議決権を行使することに同意している者がいる場合
契約や合意等により、個人又は法人との間で当該個人又は法人の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者がある場合には、その同意している者が有する議決権は、当該個人又は法人が有するものとみなされます。 これに該当するかどうかは、単に過去の株主総会で同じ議決権行使をしたという事実や、人事・資金取引の密接な関係があることだけでは足りません。組合契約において特定の組合員の意思により議決権が行使される旨の合意があるときや、信託行為において委託者等の指図により議決権を行使する旨の合意があるとき、株式の相互持ち合いにおいて議決権をお互いの意に沿うよう行使する旨の合意があるとき、継続的に白紙委任状を提出しているときなど、客観的な事実関係に基づく慎重な判定が必要です。 なお、この規定は議決権による判定についての取扱いです。議決権行使について同意している者が有する議決権は、当該個人又は法人が有するものとみなされます。また、当該個人又は法人がその会社の株主等でない場合には、当該議決権に係る会社の株主等であるものとみなされます。
ただし、このみなし規定は、株式又は出資の数・金額による同族会社判定においてまで株主等とみなすものではありません。したがって、議決権判定と株式数・出資金額判定を混同しないよう注意が必要です。



議決権行使の同意がある場合の判定は、ファンドや組合スキームを活用した出資が絡むケースで頻繁に問題となります。形式的な出資割合が低くても、投資契約書や組合契約書の中に議決権の拘束に関する条項が含まれていれば、同意者とみなされて議決権が合算され、結果として同族会社と判定されるリスクが潜んでいます。契約書のリーガルチェックを行う際は、税務上の同族会社判定への影響という視点を常に持っておくことが大切ですよ。
まとめ
同族会社の判定は、法人税法における「同族会社の行為又は計算の否認」や、特定同族会社に対する留保金課税、使用人兼務役員の判定など、複数の重要な税務取扱いに影響する基礎的な手続きです。 判定に当たっては、株式数だけでなく議決権数や社員数という3つの基準を網羅的に検討し、親族や内縁関係、生計維持関係といった個人の同族関係者から、支配関係にある法人の同族関係者までを漏れなく抽出する必要があります。さらには名義株の真の所有者の見極めや、議決権行使に関する水面下の合意の有無まで、書類の記載と実態の両面から事実関係を正確に把握する高い専門性が求められます。



実務において少しでも判断に迷う要素がある場合は、法令や基本通達に立ち返り、一つ一つの要件を丁寧に当てはめていくことが、税務リスクを回避する最善の道と言えるでしょう。










コメント