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2026年5月28日のテーマはなんでしょうか?



今朝は、昨日に引き続き受取配当等の益金不算入制度についてです。昨日のブログ記事では控除する負債の利子の『範囲』について解説しましたが、本日は補足としてその『計算方法』に焦点を当てて整理します。



なるほど、昨日の解説でどのような支払利子が控除対象になるのかはしっかり理解できました。ただ、実際の控除額の計算となると、様々な割合を用いたりして複雑になるイメージがあります。



以前は総資産の帳簿価額などを用いた厳密な按分計算が必要でしたが、令和4年度の税制改正により、現在の計算方法は大幅に簡素化されています。本日は、法人税法施行令や基本通達に基づいて、原則と特例の計算手順を確認していきましょう。



昨日の負債利子の範囲に関する記事はこちらをご覧ください。
【町田市の税理士が解説】受取配当等の益金不算入額の計算において控除する株式等にかかる負債の利子の範囲
1. 受取配当等の益金不算入制度における負債利子控除の基本
制度の趣旨と令和4年度税制改正による簡素化
受取配当等の益金不算入制度は、法人間の配当に対する二重課税を排除するための極めて重要な制度です。しかし、冒頭の会話でお話しした通り、借入金で株式を取得した場合の課税上の不合理を是正するため、益金不算入額から一定の負債利子額を差し引くルールが設けられています。
この負債利子控除の計算方法は、令和4年度の税制改正により大幅に簡素化されました。改正前は、法人の総資産の帳簿価額に占める株式等の帳簿価額の割合を用いて、支払利子の全体から株式等に対応する部分を厳密に計算(総資産按分)していました。しかし現在では、負債利子控除の対象は「関連法人株式等」から受ける配当等のみに限定され、計算式そのものも非常にシンプルに改められています。完全子法人株式等や非支配目的株式等については、負債利子控除の対象外となっています。



実務上、まずは対象となる配当が関連法人株式等(他の内国法人の発行済株式等の3分の1超を保有している場合など)からの配当に該当するかどうかを正確に判定することが、計算の第一歩となります。対象外の株式からの配当について誤って負債利子を控除しないよう十分に注意してください。
2. 関連法人株式等に係る控除負債利子の計算方法
法人税法施行令第19条において、関連法人株式等に係る配当等の額から控除する負債利子等の額の計算方法が定められています。ここでは、原則的な取扱いと、法人の支払利子等が少ない場合に適用される例外的な取扱い(特例)の2つのパターンを正しく理解することが求められます。
以下の表に、原則と特例の計算方法および適用条件を整理しました。
| 項目 | 計算方法 | 適用される条件 |
|---|---|---|
| 原則的な取扱い | 当該関連法人株式等の配当等の額 × 4パーセント | 特例の条件に該当しないすべてのケース |
| 例外的な取扱い(特例) | 支払利子等の合計額の10パーセント × (当該関連法人株式等の配当等の額 ÷ 関連法人株式等の配当等の合計額) | 支払利子等の額の合計額の10パーセント ≦ 関連法人株式等に係る配当等の額の合計額の4パーセント の場合 |
原則的な取扱い
法人税法施行令第19条第1項によれば、関連法人株式等に係る配当等の額から控除する負債利子等の額は、原則として、その受取配当等の額の4パーセントに相当する金額とされています。 以前のように総資産や株式の帳簿価額を用いた複雑な按分計算を行うことなく、受取配当等の額に直接4パーセントを乗じるだけで控除すべき負債利子の額が計算できる簡便な仕組みとなっています。
例外的な取扱い(特例)
一方で、法人の支払利子等の額自体が少ない場合には、法人税法施行令第19条第2項により特例が設けられています。 具体的には、適用事業年度における「支払利子等の額の合計額の10パーセントに相当する金額」が、「関連法人株式等に係る配当等の額の合計額の4パーセントに相当する金額」以下となる場合です。
この条件に該当する場合、控除する負債利子等の額は、企業全体で支払っている利子等の額の10パーセントを上限とし、それを当期に受けた各関連法人株式等からの配当等の額の比率で配分した金額となります。借入金が少なく支払利子が少額である法人に対する配慮規定と言えます。



原則と特例のいずれの金額によるかは、まず支払利子等の額の合計額の10%と、関連法人株式等に係る配当等の額の合計額の4%を比較して判定します。ただし、施行令19条2項の特例計算は、所定の事項を記載した書類を確定申告書等に添付している場合に限り適用されるため、申告書添付要件にも注意が必要です。
3. 支払利子等の額の範囲と通達に基づく配分方法
特例計算を行うにあたっては、そもそも「支払利子等の額」に何が含まれるのかを法令から正確に読み取る必要があります。
支払利子等の額に含まれるもの・含まれないもの(昨日のおさらい)
法人税法施行令第19条第2項において、支払利子等とは「法人が支払う負債の利子又は手形の割引料、金銭債務の償還差損益に規定する満たない部分の金額その他経済的な性質が利子に準ずるものの額」と規定されています。 銀行からの借入金利子はもちろん、社債の利子や手形の割引料などがこれに該当します。
さらに、生命保険会社や損害保険会社等に特有の規定として、法人税法施行令第19条第3項において、以下のものが「経済的な性質が利子に準ずるもの」として含まれることが明記されています。
・生命保険契約に基づいて責任準備金として積み立てられた金額のうち、保険料積立金に係る利子に相当する金額
・契約者配当の額のうち利子等の収益から成る部分の金額
・据置配当の額、または未払の契約者配当の額に対して付されている利子に相当する金額
・前納保険料に係る利子に相当する金額
グループ通算制度における特例
グループ通算制度を適用している法人の場合はさらに特殊です。法人税法施行令第19条第4項等の規定により、当該法人単体の支払利子だけでなく、通算完全支配関係にある他の通算法人の支払利子合計額や配当等の額の合計額を合算して判定を行い、他の通算法人への支払利子の配賦計算等を行う仕組みが設けられています。
関連法人株式等が複数ある場合の負債利子の配分
関連法人株式等が複数ある場合、原則計算では、それぞれの関連法人株式等に係る配当等の額に4%を乗じて控除負債利子相当額を計算します。
一方、施行令19条2項の特例計算を適用する場合には、支払利子等の額の合計額の10%に、各配当等の額が関連法人株式等に係る配当等の額の合計額に占める割合を乗じて計算します。したがって、現行制度では、旧制度のように総資産や株式等の帳簿価額を用いて任意に配分するものではありません。



支払利子の範囲については、実務上、会計上の営業外費用に計上されているからといって、すべてが自動的に含まれるわけではありません。契約の法的性質を紐解き、それが真に「経済的な性質が利子に準ずるもの」に該当するかどうかを個別に判定することが、税務調査において指摘を受けないための重要なポイントです。
まとめ
本日の解説を総括します。
受取配当等の益金不算入における負債利子控除は、令和4年4月1日以後開始事業年度から、関連法人株式等に係る配当等を対象として、原則として配当等の額の4%相当額を控除する仕組みに簡素化されています。
ただし、支払利子等の額の合計額の10%が、関連法人株式等に係る配当等の額の合計額の4%以下となる場合には、一定の書類添付を要件として、支払利子等の額の合計額の10%を各配当等の額の比率で配分する特例計算が適用されます。
支払利子等の額には、負債の利子、手形の割引料、償還差損のうち所定の金額、その他経済的な性質が利子に準ずるものが含まれますが、基本通達上、売上割引料など支払利子等に該当しないものもあるため、個別の内容確認が必要です。
また、グループ通算制度を適用している法人については、支払利子等の額や関連法人株式等に係る配当等の額について、通算法人間の調整規定が設けられているため、単体法人とは異なる確認が必要です。



受取配当等の益金不算入制度は、法人税の実務において頻出する極めて重要な論点です。基本となる法令の原則と特例の要件をしっかりと押さえ、正確かつ有利な申告業務に役立ててください。




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