ミミレイドンボス、おはようございます!
2026年5月24日のテーマはなんでしょうか?



今朝は、法人税の実務で非常に重要となる「受取配当等の益金不算入額」の基礎編についてです。



受取配当等ですか。法人が株主として配当を受け取ったときの税務処理ですね。配当金には税金がかからないと聞いたことがあるのですが、本当でしょうか。



ええ、その通りです。ただし、無条件にすべてが非課税になるわけではなく、保有している株式の区分や負債利子の有無など、細かい要件が法令や通達で定められています。今日はその基本的な仕組みと計算方法を一緒に確認していきましょう。



はい、よろしくお願いします!複雑そうな制度ですが、しっかり理解したいと思います。
受取配当等の益金不算入制度の趣旨と対象範囲
受取配当等の益金不算入制度とは、法人が他の法人から受け取る配当金等を、法人税の計算上、益金の額(課税対象となる収益)に算入しないという制度です。
法人が事業活動によって得た利益には法人税が課されます。そして、その税引後の利益を原資として株主へ配当が行われます。もし、配当を受け取った法人に対してもその配当金に法人税を課してしまうと、同じ利益に対して二重に税金がかかる「二重課税」の状態となってしまいます。この二重課税を排除することが、本制度の最大の目的です。
法令上は、法人税法第23条(受取配当等の益金不算入)や第23条の2(外国子会社から受ける配当等の益金不算入)において、所得の金額の計算上益金の額に算入されない金額として規定されています。また、通常の剰余金の配当や利益の配当だけでなく、法人税法第24条に規定される「配当等の額とみなす金額(いわゆる、みなし配当)」についても、この制度の対象となります。さらに、金銭の分配のうち出資総額等の減少に伴うものの範囲などについても、財務省令(法人税法施行規則)において細かく規定されています。



受取配当等の益金不算入の対象となる「配当等の額」には、法人税法23条1項に掲げる剰余金の配当、利益の配当、一定の金銭の分配等が含まれます。また、法人税法24条により配当等の額とみなされる、いわゆる「みなし配当」も対象となり得ます。
ただし、特定目的会社や投資法人から受ける配当等については、支払法人側で配当が損金算入される制度との関係で、受取法人側において法人税法23条の益金不算入が適用されない場合があります。そのため、実務上は、支払法人の種類や配当の性質、適用される特別規定を個別に確認する必要があります。
株式等の区分と益金不算入割合の原則
受取配当等の益金不算入制度では、配当等を受け取る法人が、配当等を支払う法人の株式をどの程度保有しているか(持株割合)によって株式の区分がなされ、それぞれ益金不算入となる割合が異なります。
| 株式等の区分 | 要件の概要 | 益金不算入割合 |
|---|---|---|
| 完全子法人株式等 | 配当等の計算期間を通じて、完全支配関係(100%保有)がある株式等 | 100%(全額) |
| 関連法人株式等※ | 配当等の計算期間を通じて、3分の1超を保有している株式等 | 100% (負債利子の控除あり) |
| その他の株式等 | 上記以外で、保有割合が5%超3分の1以下の株式等 | 50% |
| 非支配目的株式等 | 保有割合が5%以下の株式等 | 20% |
※関連法人株式等については、単に基準日に3分の1超を保有していればよいわけではなく、原則として、一定の判定期間を通じて3分の1超を継続保有している必要があります。なお、配当等の計算期間が6月を超える場合には、基準日等以前6月の期間により判定されるなど、完全子法人株式等の「計算期間を通じて」とは異なる点に注意が必要です。
このように、保有割合が高く支配関係が強いほど、二重課税を完全に排除するために益金不算入割合が高く設定されています。



株式等の区分判定では、完全子法人株式等・関連法人株式等については継続保有要件が重要となります。一方、その他の株式等・非支配目的株式等については、原則として配当等の基準日等における保有割合により判定します。したがって、すべての区分について「計算期間を通じて」判定するわけではない点に注意が必要です。期中に株式の追加取得や一部譲渡があった場合は、計算期間中の保有割合の変動によってどの区分に該当するかが変わる可能性があるため、慎重に見極めてください。
関連法人株式等に係る負債利子控除の計算
上記の表で示した通り、「関連法人株式等」に該当する株式等から受ける配当等の額については、全額がそのまま益金不算入となるわけではありません。法人が借入金(負債)によって株式を取得している場合、その借入金に対する支払利子は損金(経費)となる一方で、受け取る配当が全額非課税となると、税務上二重に有利な状態が生じてしまいます。
そのため、法人税法では、内国法人が受ける関連法人株式等に係る配当等の額については、当該配当等の額から当該配当等の額に係る利子相当額を控除した残額を益金に算入しないこととされています。
利子相当額の計算方法
関連法人株式等に係る配当等については、原則として、その配当等の額の4%相当額を控除した残額が益金不算入額となります。
ただし、その事業年度の支払利子等の額の合計額の10%相当額が、関連法人株式等に係る配当等の額の合計額の4%相当額以下である場合には、一定の書類添付を要件として、支払利子等の額の10%相当額を関連法人株式等に係る配当等の額に応じて按分した金額を控除額とすることができます。



実務上は、4%相当額による原則計算と、要件を満たす場合に適用できる支払利子等10%相当額を用いる特例計算を比較し、特例の適用可否や添付書類の有無を確認することが重要です。
グループ通算制度における受取配当等の取扱い
グループ通算制度を適用している法人についても、受取配当等の益金不算入額は基本的に各通算法人ごとに計算します。ただし、関連法人株式等に係る配当等から控除する負債利子相当額の計算については、通算グループ全体の支払利子等の額や関連法人株式等に係る配当等の額を基礎として、支払利子配賦額を用いた調整が行われます。
また、税務調査等により支払利子合計額や適用関連法人配当等の額が当初申告と異なることとなった場合には、原則として当初申告の金額に固定して他の通算法人への影響を遮断しますが、一定の場合には全体再計算が必要となります。



グループ通算制度を適用している場合、個社の計算結果を合算するだけでなく、グループ全体での支払利子等の額や関連法人配当等の額を用いた調整計算が必要になります。特に、後日税務調査等で修正申告を行うことになった場合、全体再計算の要否の判定基準が非常に複雑です。実務においては、法人税基本通達や法施行令をしっかりと読み込み、グループ全体への影響を把握することが欠かせません。
特定同族会社の留保金課税との関係
最後に、特定同族会社(オーナー一族等で一定の持株割合を占める法人)における留保金課税と受取配当等の関係についても触れておきます。 特定同族会社の留保金課税の計算では、法人税法23条や23条の2により所得金額の計算上益金不算入とされた受取配当等の金額についても、留保金額の計算上、別途調整が必要となります。
具体的には、通常の所得計算では益金不算入とされた金額であっても、会社内部に留保されている利益として把握されるため、留保金課税の計算上は加算調整の対象となる点に注意が必要です。



同族会社の申告においては、別表の作成でこの受取配当等の加算調整を漏らしてしまうミスが散見されます。受取配当等の益金不算入制度を適用して税負担が減ったとしても、留保金課税の対象となる法人では思わぬ税負担が生じる可能性がありますので、別表間での数字の連動には細心の注意を払ってください。
まとめ
本日は「受取配当等の益金不算入額」の基礎編として、以下の重要ポイントを解説しました。
- 制度の趣旨は、法人間の配当に対する二重課税を排除することにある。
- 株式の保有割合によって「完全子法人株式等」「関連法人株式等」「その他の株式等」「非支配目的株式等」に区分され、それぞれ益金不算入となる割合が異なる。
- 関連法人株式等に該当する場合、配当等の額から負債利子相当額(原則4%、特例として支払利子等の額の10%上限)を控除した残額が益金不算入となる。
- グループ通算制度を適用している場合は、グループ全体での支払利子等の額等を考慮した複雑な調整計算が求められる。
- 特定同族会社の留保金課税の計算においては、益金不算入となった受取配当等の金額を調整する必要がある。



受取配当等の益金不算入制度は、法人税の実務において頻出する論点でありながら、株式の区分判定や負債利子の計算など、確認すべき要件が多岐にわたります。法令や通達を正確に読み解き、一つひとつの事実関係を丁寧にあてはめていくことが、適正な申告への一番の近道です。基礎をしっかりと固めた上で、実務上の応用問題にも対応できるよう知識を深めていきましょう。










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